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【キョン@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】 いちおう本編の主人公。 ハルヒの相方の男子高校生。 古泉に「いつか世界を救うかもしれない」とまで言わしめた、卓越したツッコミスキルを持つ。 この人がボケに回ると、ツッコミ役がいなくなって収拾がつかなくなる。
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_,...., ,. .- ´‐ . -` ...、 / . . . . . . . . . . . . . . . .` . ..、. / . . . . . . . i . .l . . . i . . . . . . . . . . ヽ / . . . . . . . .ィ . .l. . . . l . . . l . . . . . . ヾ ... / . . . . . . i_ .ハ . .i . . . .ハ . . ト . i . . . . . ヾ., i . . . . . . . l,_ l`ヽ i';. . .i i . l i .l . . i . .i .l ヽ、. l ;i . . . . . .トア `トヾヽ i  ̄ソ`'i . .;' . . .i';i. l ハ . . . . . i ゚=ソ ` ,,_ ' .l ./ . . . i 'i 'ソト . . . ヘ. ′  ̄,イ/ . . . . l .i. / . .;ヽ . . . .、 -_ 、 ,ノイ' i . . . . l. . . . . .ll ヽ . . . i i 、_ i.< i . . . .l / . . . . _;[、 ィ';、 . .リ _.'ヽ  ̄`; l . . / \,_ i . ./ l '; ', ヽ .l=/ヽ`'弋 ;l . イ \_. i . / i .; ', ヽl- '´,ィ-`、l l イ | ` ......、 l . i i ' ', ヽ"´ l イ l l / / `ヽ l .i ヾl .i '; ', ヽ .〉 .l l l ヽ ´ / l l i ソ ヽ ヽ .、. ヽ ./ ,.リ/ l>ー--≡三-‐ ' ´ l. il 〈 ヽ ヽ ヽ、ヽ ./ /;〃 l l´ / i l lヽ ヽ、 ヽミ ..ヘ /イ '''ィ l .丿 - 、 ノ l ー 、 〉| l ー 、ヾソ'/ | 、 / ' / 名前:キョン子 性別:女 原作:涼宮ハルヒの憂鬱二次創作 一人称:特に設定なし 二人称:特に設定なし 口調:特に設定なし AA:涼宮ハルヒの憂鬱/キョン子 「涼宮ハルヒの憂鬱」の語り部であるキョンをベースに作られた女性キャラ。 基本的には女性キャラとして登場するが、女装している、あるいは女っぽい男として使われることもある。 いわゆる性転換キャラの一例である。「ダルデレ」または「ツンデレ」なキャラクターを持つ。 基本的に貧乳キャラであり、このデザインの原型となった長門有希のような黒いカーディガンを羽織っていることが多い。 キャラ紹介 やる夫Wiki ニコ百 Wikipedia アニヲタWiki ピクペ 登場作品リスト タイトル 原作 役柄 頻度性別 リンク 備考 LIVE ・ω・ ヨVIL(江戸編) LIVE A LIVE 合作企画の主人公の1人食事処の店員 主 まとめ やる夫Wiki エター 機動戦士ガンダム 逆襲のキョン子 ガンダム 男の娘 主男 まとめ 完結 キョン子♂のゆるゆる戦国立志伝 オリジナル 武士として元服したばかりの男の娘 主男 まとめ R-18 キョン子クエストII ドラゴンクエストII サマルトリアの王子役。男の娘 主男 まとめ 休止 キョン子計画通り オリジナル ヒロインで語り部 主 まとめ 完結 キョン子とりあむの短期間異世界旅行 オリジナル りあむとともに異世界転移したが…? 主 まとめ 予備 完結 キョン子の迷宮細腕繁盛記 女神転生シリーズ 橘京子 主 まとめ 予備 R-18 完結 キョン子は海道一の弓取りになる予定です オリジナル 女好きの元女 主男 まとめ R-18 侠客武道イーロン ~黄昏に散る~ オリジナル イーロンの分身体 主 第0話 安価 あんこ 少しだけ、かがんでください オリジナル 年の差百合。9歳のフェイトに告白された女子高生 主 まとめ 完結 ド底辺やる夫スレ主の思考 オリジナル 現役美少女女子大生 主 まとめ 予備 トランス・パニック・スクール! オリジナル 主人公。謎の事故で、キョンが女体化した姿 主TS まとめ 完結 ハイセンス・ハイキング~登山風味~きゃっきゃっうふふなゆるふわガールズを添えて オリジナル 4人組のツッコミ担当 主 まとめ 変な人外と女になった俺 シャドウラン TSした(された)ドクオ 主TS まとめ 休止 欲望という名の船に乗れ オリジナル 航海士だったが海賊入り 主 まとめ 休止中 異世界からかえってきたやる夫君のお話 オリジナル ヒロインの1人。カンスト教徒で裏の事件に巻き込まれたのを切掛にやる夫に弟子入りする 常 まとめ rsswiki 第二部完 おいしいごはん オリジナル ヒロイン。初期の代表作 常 まとめ エター おまん娘のいる世界で オリジナル やる夫のおまん娘 常 まとめ R-18 キョン子先輩との結婚生活 オリジナル やらない夫の先輩で奥さん 常 まとめ 完結 涼宮ハルヒのあんこ 涼宮ハルヒの憂鬱 寿命で死んだと思ったら学生に戻った上にTSしてた原作キョン 常TS まとめ R-18 完結 屍とクローズドサークル 今村昌弘「屍人荘の殺人」 経済学部3回生、映研部員 常 まとめ 予備 その名は「レヴィ・ザ・スラッシャー」!! オリジナル ギルド職員、キョーコ・タニカワ 常 まとめ 完結 染史画廊渋谷~女子高生たちは、塗り替えられた世界を元に戻すようです~ Fate 新聞部員 常 まとめ エター トモダチのちトキメキ オリジナル ヒロイン。幼馴染のねらう緒と付き合い出す 常 まとめ マジカルライダーやる夫2ndA's 仮面ライダーシリーズ キョンの妹 常 まとめ 完結 やらない夫と導かれし仲間達 ドラゴンクエストIV クリフト役。男の娘 常男 まとめ 完結 やらない夫とはやての勇気と未満都市 ぼくらの勇気〜未満都市 幕原地区に住む少女。 常 まとめ 完結 やらない夫は王の力を手に入れたようです 仮面ライダー(平成) ヒロイン。仮面ライダーオーズに変身する 常 まとめ エター やらない夫は食の軍師のようです 食の軍師 力石役。やらない夫が(一方的に)ライバル視している本物の通 常 まとめ 完結 やらない夫はモンスターマスターとして召喚されたようです ドラゴンクエストモンスターズ やらない夫と同期のモンスターマスター 常 まとめ 完結 やる夫「王様ゲームしようぜ!!」 オリジナル 長らく無敵の腐女子だったが、その後… 常 まとめ 完結 やる夫達の平凡な学生生活 オリジナル やる夫のクラスメイトでSOS団の団長。ツッコミ役 常 まとめ やる夫達は穢れた絆の意味を知るようです オリジナル やる夫ヒロイン。誘拐されそして・・・ 常 まとめ R-18 完結 やる夫達は正義の味方のようです オリジナル やらない夫の姉。ヒロイン 常 まとめ エター やる夫たちは「勇者の証」を手に入れたようです オリジナル 異世界から召喚された「勇者」の一人。キョンと名乗る 常 まとめ 完結 ~やる夫とキョン子のほのぼのな毎日~ オリジナル ヒロイン 常 まとめ 完結 やる夫とキョンは闇の眷属のようです オリジナル やる夫に女にされた学生、呪いを解くために男を誘惑する 常TS まとめ R-18 完結 やる夫に残された時間は24時間のようです オリジナル やる夫の友人の女子高生 常 まとめ やる夫Wiki 安価 完結 やる夫はキョンと旅をする ドラゴンクエストV 主人公の娘役。ファザコンでブラコン 常 まとめ 完結 やる夫はキョンに恋をする オリジナル キョンの戦闘用の変身姿、だったのだが…。 常TS まとめ 完結 やる夫は無人島のDMのようです。 オリジナル やる夫のダンジョンのコア 常 まとめ R-18 エター 百合の花束 オリジナル 初音ミクとの百合短編がいくつかある 常 まとめ 完結 男性が希少な世界でエロくあんこする話 オリジナル ねらう緒を担当する搾精官 準 まとめ R-18 あんこ プロ野球人生、始めました パワプロシリーズ やる夫の長男。しょっちゅう女に間違われる 準 まとめ 完結 やる夫とキョンのドラクエ6 ドラゴンクエストVI 主人公の妹・ターニア役 準 まとめ 完結 やる夫の人生ゲーム 人生ゲーム 幼稚園の保母さん。巨乳設定 準 まとめ R-18 やる夫は青い血を引いていたようです オリジナル 古泉男爵の一人娘。やる夫の領地で預かり侍女となる。 準 まとめ エター やる夫は地球侵略に来た帝国の戦闘員のようです オリジナル ハルヒの双子の妹。においフェチ 準 まとめ R-18 CHRONO TRIGGER──やらない夫の不思議な冒険── クロノ・トリガードロヘドロ、BioShock フィオナ役 脇 まとめ 予備予備2 やる夫Wiki エター あんこ時々安価でクトゥルフ神話TRPG クトゥルフ神話TRPG シナリオ「情欲の檻」に登場する、強力なアンチPSIの力を持った能力者 脇 まとめ wiki R-18G 安価あんこ キョンは全てを振り切るようです 仮面ライダーW 風都野鳥園の職員・島本凪役 脇 まとめ 完結 できる夫とマリーがたどる仮面ライダーファイズ 仮面ライダーファイズ 森下千恵役、作中、智恵とも呼称されている顔有りAAは避けられている 脇 まとめ 予備やる夫Wiki やる夫とジャギのデビルバスターズ 女神転生シリーズ ハルヒの娘 脇 まとめ R-18 完結 短編 タイトル 原作 役柄 リンク 備考 全キョン子入場 グラップラー刃牙「全選手入場」 登場スレ紹介 2011 20122013 2014 短編 はんなりギロリのキョン子さん はんなりギロリの頼子さん まとめ 短編
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【名前】キョン 【出典】涼宮ハルヒの憂鬱 【種族】人間 【性別】男性 【声優】杉田智和 【年齢】15歳 【外見】 【性格】 【口調】 一人称:俺 二人称:呼び捨て(男性、親しい者)、〜さん(女性、大人) 【主な能力】
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キョン子 きょんこ 【キャラクター】 09-07-05最終更新 random_imgエラー:ご指定のファイルがありません。アップロード済みのファイルを指定してください。 「キョン子」とは、涼宮ハルヒの憂鬱の二次創作キャラクター。 主人公「キョン」の性別を逆転させたキャラクターである。 本来は男性である者が手術などで女性となった、というのではなく、本来的に女性として描かれている。 キョン子を含め、性転換シリーズのキャラクターは二次創作のため、作者ごとに異なる。 もっとも、元々のキャラクターから導かれる一定の要素は共通して備えている場合が多い。 キョン子の場合、もみあげやポニーテール、普段は面倒くさそうな風だが付き合いはいい性格(「ダルデレ」)などがある。 このようなファン活動は以前から主に腐女子の間であったらしいが、キョン子はニコ動ユーザーの間で人気を呼び、ニコ動においては「性転換シリーズ」と呼ばれ、著名になっている。 動画検索 「キョン子」でタグ検索 上位分類タグ 性転換シリーズ (タグ検索 → 検索結果) random_imgエラー:ご指定のファイルがありません。アップロード済みのファイルを指定してください。 動画 sm2639182ハルヒ性転換画像集【キョン子はみんなの嫁】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm2639182 sm2734952【また】「性転換させてみた」でハ/レハ/レ踊らせてみた【未完成か】 http //www.nicovideo.jp/watch/sm2734952 か行の単語一覧にもどる 「キャラクター」に関する単語の一覧 トップページにもどる - -
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~部室にて~ ガチャ 鶴屋「やぁ!みんな!」 キョン「どうも」 みくる「鶴屋さんどうしたんですかぁ?」 鶴屋「今日はちょっとハルにゃんに話があるっさ!」 ハルヒ「え?あたし」 鶴屋「そっさ!」 ハルヒ「?」 鶴屋「明日、ハルにゃんと長門ちゃん、みくるとあたしで遊び行くよ!」 ハルヒ「でも明日は団活が」 鶴屋「名誉顧問の権限を行使させてもらうよ!」 ハルヒ「えっと……有希はいいの?」 長門「構わない」 ハルヒ「みくるちゃんは?」 みくる「わたしは鶴屋さんから、事前に言われてましたからぁ」 ハルヒ「古泉君とキョンは?」 古泉「つまり男性禁制ということですよね?僕は大丈夫ですよ」 キョン「あぁ、俺も問題ない」 鶴屋「ハルにゃんはどうなのさ?」 ハルヒ「う~ん、そうね。たまにはいいかも」 鶴屋「じゃあ決まりっさ!」 みくる「ふふふ」 長門「……」ペラ 鶴屋「さぁ、こっからは女の子同士の話し合いの時間だよ!男子諸君は出てった、出てった!」シッシッ 古泉「そういうことなら帰りますが、よろしいですか涼宮さん?」 ハルヒ「そうね。今日は鶴屋さんに免じて二人とも帰っていいわよ」 キョン「じゃあそうさせてもらうぞ」 古泉「それでは、みなさん。また来週」 みくる「お気をつけて」 鶴屋「バイバ~イ」フリフリ ガチャ ~廊下にて~ キョン「追い出されたな」 古泉「そうですね」 キョン「こんな時間に放り出されてもやることないな」 古泉「たしかに」 キョン「おまけに明日も暇をだされちまったしな」 古泉「おや?せっかく出来た彼女とお会いになればいいじゃないですか?」 キョン「ごあいにく、今親戚の法事でこっちにいないんだ。つまり明日は予定がない」 古泉「そうでしたか」 キョン「そういうお前はどうすんだ?」 古泉「えぇ。右に同じく、といったところです」 キョン「そうか」 古泉「もしよろしければ、これから食事でもどうです?」 キョン「おいおい、男を食事に誘うとはどういう冗談だ?お前がバイでも、まぁ驚かんが、俺は勘弁してくれ」 古泉「そうですね。仮に僕がバイでも相手くらいは選びますよ」ニコ キョン「……言ってくれるじゃないか」 古泉「どうやら変な誤解をされてるようでしたので」 キョン「やれやれ」 古泉「で、食事の件ですが、少しあなたに話しておかなければならないことがありまして」 キョン「……ハルヒがらみか?」 古泉「それが半分です」 キョン「後の半分は雑談、ってわけでもないんだろ?」 古泉「はい」 キョン「お前には世話になってるしな。構わないぞ」 古泉「それはよかった。食事代のほうは、機関から必要経費とさせてもらうので気にせず」 キョン「なによりだ。このまま行くのか?」 古泉「どちらでもよろしいですよ?」 キョン「じゃあ着替えたいな。制服で歩いて補導でもされたらたまらん」 古泉「ごもっともで。では六時過ぎにでもご自宅に伺わせていただきます」 キョン「わるいな」 古泉「いえいえ。ではまたあとで」 キョン「あぁ」スタスタ 古泉「……」 prrrprrr ピッ 古泉「はい、古泉です」 ???「話の機会は作れた?」 古泉「えぇ。今夜彼に打ち明けますよ。森さん」 森「……そう……大丈夫?」 古泉「彼はあれで熱いお人ですから。簡単にはいかないでしょうね」 森「……もし、辛いなら私や新川が代わるわよ?」 古泉「いえ、大丈夫ですよ。これでも彼とは一年間を一緒に過ごしてきましたし、やはり僕が適任です」 森「……弱音を吐いてもいいのよ?」 古泉「弱音?はて?」 森「……馬鹿」 古泉「んふ。大丈夫ですよ。森さんはもう少し僕を信用してくれてもいいですよ?」 森「……子供のくせに。私はしっかり信頼してるから。……それではまた後で」 古泉「はい。吉報を待っててください」 ピッ 古泉「……さて」 ~キョン宅にて~ 妹「キョンく~ん!こんな時間にどこ行くの~?」 キョン「ちょっと古泉と遊びに行ってくるんだ」 妹「え~?こんな時間に遊びに行ったらキョンくん不良になっちゃうよ?」 キョン「大丈夫さ。俺はいつだって真面目だ」 ピンポーン 妹「あっ、お客さんだ~。は~い」トテトテ ガチャ 古泉「こんばんは」ニコ 妹「古泉くんだ、こんばんはぁ」ペコ 古泉「彼はいますか?」 妹「今連れてくるね♪」 キョン「おう、悪かったな」 古泉「いえ。行きましょうか」 キョン「そうだな。……じゃあ行ってくる」 妹「いってらっしゃ~い!古泉くんに迷惑かけちゃダメだよ~?」 キョン「分かってるよ」 ガチャ 古泉「いつ見ても可愛らしい妹さんですね」 キョン「いくらお前でも手を出したら許さんからな」 古泉「小児愛好の趣味は持ち合わせていませんのでご安心を」 キョン「分かってるよ」 古泉「んふ」 キョン「で、どこ行くんだ?」 古泉「えぇ僕の部屋です」 キョン「お前の?」 古泉「はい、デリケートな話なので」 キョン「わかったよ、それであれが迎えの車か?」 古泉「そうです。どうぞ」 カチャ キョン「なんだか拉致されたみたいだな」 古泉「警察にも機関の力は働いています。身の危険を感じたら連絡してもらっていいです?」ニコ キョン「お前のは冗談に聞こえん」 古泉「そうでしたか。気をつけます」 キョン「……」 古泉「……」 ~古泉の部屋にて~ 古泉「どうぞ」 キョン「おう。……片付いてるな」 古泉「清潔にするようにはしています」 キョン「それにしても」 古泉「はい?」 キョン「機関のおごりだって言うから期待したのに、コンビニとはな」 古泉「まぁ、若い男が二人だけなんだし、これぐらいが健全じゃないですか?」 キョン「そういうことにしとくよ。で、なんだあれは?」 古泉「あれはコンパクトディスク、つまりCDですよ?ご存知ありませんか?」 キョン「違う、なんだあの量は?」 古泉「ざっと四百枚近くはありますよ」 キョン「狂ってるな」 古泉「これに関しては褒め言葉にしか聞こえませんよ」 キョン「売ったりしないのか?」 古泉「売るくらいなら最初から買いません」 キョン「今のオススメは?」 古泉「今のシーンですか?それとも僕のですか?」 キョン「お前のでいいよ。シーンとか言われても分かるわけないだろ」 古泉「そうですね、Joh○ossiとLi○tle Man Tateはかなりヘビロテしてますね。それとGre○n Dayの新譜は素直に感動しました」 キョン「おっ、Green D○yは俺でも知ってるぞ」 古泉「それは良かった、知らないといわれたら、追い出しかねませんでしたから」 キョン「はは。大げさだな」 古泉「んふ。けして大げさでは」 キョン「……」 キョン「そもそも聞けるのかあんなに?」 古泉「いい音楽はどれだけあっても邪魔にはなりませんよ」 キョン「だから聞ききれるのかって?」 古泉「はい」 キョン「信じられん」 古泉「新しい音楽に出会う感覚はたまりませんよ。変な話、ニヤニヤしてしまいますからね」 キョン「趣味は人それぞれだな」 古泉「えぇ」 古泉「では、失礼して音楽を掛けさせてもらいますね」 キョン「何をかけるんだ?」 古泉「Death Cab F○r CutieというUSのインディーロックバンドの5thです」 キョン「知らんな」 古泉「落ち着きたいときにかけるんですよ」 キョン「そうか」 古泉「えぇ」 キョン「まぁ、せっかく古泉のうちに来たんだ。難しい話の前に雑談しようぜ」 古泉「構いませんよ」 キョン「じゃあ、単刀直入に聞くが……」 古泉「はい」 キョン「お前の彼女は誰だ?」 古泉「……これはこれは」 キョン「お前には俺のプライバシーが筒抜けなんだ。それくらい教えてくれても罰は当たらんだろ?」 古泉「さて、どうしたものでしょう。僕としては一向に構わないんですが、向こうがなんと言うか」 キョン「つまり、俺たち共通の知り合いってことだな?」 古泉「あ」 キョン「俺とお前の共通の知り合いか」 古泉「えっと」 キョン「年下は……ないな。ってことはタメか、上だな」 古泉「……」 キョン「となると、長門、朝比奈さん、ハルヒ、鶴屋さん、阪中、黄緑さん……」 古泉「……」ゴク キョン「……待てよ……森さんもいるな……」ジー 古泉「……」ビク キョン「個人的にだ」 古泉「……はい?」 キョン「森さんだったら……お前を許さない」 古泉「……」 キョン「……森さんか?」 古泉「さてどうでしょう?」 キョン「まぁいい。俺のなかでは答えが九十九パーセント決まった」 古泉「……そうですか、合っているといいですね」 キョン「あぁ、外れているといいな」ニヤ 古泉「……」 キョン「それにしてもいい部屋だな。高いんじゃないのか?」 古泉「いわゆるセーフハウスというやつですよ」 キョン「セーフハウス?」 古泉「はい。機関のほうで用意をしてもらった仮住まいです」 キョン「そうゆうのって、ああいうCDみたいな私物は持ち込んでいいものなのか?」 古泉「あれは僕の一部ですので、無理やり説得しました」 キョン「はは」 古泉「このおにぎりはあなたのでしょうか?」 キョン「あぁ、お湯沸かしてくんないか?カップ麺食べるから」 古泉「構いませんよ」 キョン「……」キョロキョロ 古泉「面白いものなんてありませんよ?」 キョン「いや、同じ一人暮らしでも長門の部屋とは違うな、ってな」 古泉「女性の部屋と比べられても……」 キョン「はは。そうだな」 古泉「お湯が沸いたようですよ」 キョン「おう、悪いな」 古泉「……」モグモグ キョン「……なぁ、古泉」 古泉「なんでしょう?」 キョン「AVはどこだ?」 古泉「まさしくお約束ですね」 キョン「古泉とはいえ、思春期の猿だからな」 古泉「あいにく持っていませんよ」 キョン「男同士だ。恥ずかしがるな」 古泉「……正直に言いますと、以前は数点あったんですが、全て処分されました」 キョン「森さんに?」 古泉「は……さぁ?」 キョン「……」ニヤニヤ 古泉「……麺が伸びますよ?」 キョン「忘れてた!」 古泉「それでは本題に入る前に約束を」 キョン「なんだ?」 古泉「なにがあってもCDには手を出さないで下さいね?本当に大事なんで」 キョン「?わかったよ」 古泉「そして今から話すことにウソはありません」 キョン「ああ」 古泉「では本題に」 キョン「……」 古泉「まず、涼宮さんがらみの話です」 キョン「ああ」 古泉「以前の告白騒動を覚えていますか?」 キョン「忘れると思うか?」 古泉「いいえ。あの時、あなたが涼宮さんをふったことによって、我々機関は世界の改変がほぼ百パーセント行われると思いました」 キョン「すまなかったな」 古泉「いえ、過ぎたことです。しかし、ご覧の通り私たちはあの後の世界でこうして過ごしています」 キョン「ああ」 古泉「これは長門さんのおかげです」 キョン「最近仲良いからな、あの二人」 古泉「単刀直入に言うと、鍵はあなたから長門さんへと移った。これが機関の見解です」 キョン「長門に?」 古泉「その証拠に長門さんと親密になってからの彼女は、閉鎖空間をほとんど発生させていない」 キョン「……」 古泉「神人もここしばらく見ていません」 キョン「良かったじゃないか」 古泉「えぇ。しかし機関の上層部は、情報統合思念体に神を奪われたことにご立腹です」 キョン「頭のお堅いことだ」 古泉「はは。そう言わないで下さい。それでつまりです」 キョン「つまり……俺は晴れて自由ということか?」 古泉「そうです」 キョン「……そうでもないだろ」 古泉「と、言いますと?」 キョン「ハルヒの力が無くなったわけじゃないんだろ?」 古泉「はい。無自覚ながらもコントロールしているという状況です」 キョン「……俺が思うにだ」 古泉「?」 キョン「ハルヒの鍵ってのはSOS団じゃないのか?」 古泉「我々がですか?」 キョン「だってそうだろ?あいつの深いところまで知っていて、いつも行動をともにして、一緒に遊んで」 古泉「……」 キョン「俺なら一人でもそんなメンバーが欠けるのは辛い」 古泉「同感です」 キョン「つまりだ、俺でも、長門でも、朝比奈さんでも、鶴屋さんでも、お前でも、誰かが傷つけばあいつは辛いんじゃないのか?」 古泉「そうですね」 キョン「だから誰が鍵とか関係ないんだよ、きっと」 古泉「そうかもしれませんね」 キョン「そういうわけだ。俺はSOS団を辞めるつもりはないぞ」 古泉「分かりました」 キョン「それでもう半分はなんだ?」 古泉「……はい。こちらのことは機関からの指令でして、僕としては半信半疑です」 キョン「なんだ?」 古泉「涼宮さんと同じ力を持った人がもう一人いたら……どうしますか?」 キョン「ぶっちゃけ、たまらんな。……とはいえ、お前がそういうんだ、いるんだろ?」 古泉「はい。力としては涼宮さんよりは弱いですが、紛れも無く、世界を改変することの出来る能力です」 キョン「まったく、神様ってのは随分と身近にいるんだな。空から見下ろしてるもんじゃないのか?」 古泉「まぁ、事実は小説より奇なり、ともいいますからね」 キョン「そうだな。……で、誰なんだ?」 古泉「……」 キョン「ここにきてもったいぶることも無いだろ?もう大抵のことじゃ驚かない自信はあるぞ」 古泉「……あなたの彼女……佐々木さんと言いましたね?」 キョン「あぁ……おい」 古泉「機関は以前から彼女もマークしていました」 キョン「ちょっと待てよ、古泉」 古泉「しかし、機関ではより強い力を持つ涼宮ハルヒを神としています」 キョン「……」 古泉「今回、一般人であるあなたから、情報統合思念体である長門さんへと鍵が移りました」 キョン「……」 古泉「以前までの三つ巴の形が崩れた今、機関としては涼宮さんに代わる、第二の神を立てようとしてます」 キョン「それが佐々木だっていうのか?」 古泉「はい。しかし、新たな神候補には我々の機関と対立する存在がすでについています」 キョン「……」 古泉「確認したところ、すでに未来人、超能力者、情報統合思念体が彼女の周りに揃っています」 キョン「頭が痛くなってきた」 古泉「そして、更に厄介なことに、第二の神候補である彼女は、自身にある能力を知っています」 キョン「佐々木が?」 古泉「はい」 キョン「じゃああいつは自分の力を使ってるのか?」 古泉「いえ、現時点ではそのようなことは」 キョン「現時点では?」 古泉「はい。しかし、もし彼女の力が完璧なものになれば、文字どおり無敵です」 キョン「なぜ、なんでこのことを俺に教える?俺があいつの彼氏だからか?」 古泉「機関としてはこの一年間で、あなたとの関係性はある程度確保していると思っています」 キョン「つまり?」 古泉「あなたには機関と彼女……佐々木さんを繋ぐ橋渡しをして欲しいということです」 キョン「スマン。本当はこんなこと言いたくないんだ。でもな、お前マジで殴るぞ」ガシ 古泉「苦しいですよ、放してください」 キョン「お前はそんなくだらないことをいうために、俺をここに連れてきたのか?」 古泉「あなたにとってはくだらないことでも、機関にとっては死活問題です」 キョン「そんなクソみたいなことをいうしか能の無い連中なら、いっそ無くなったほうがいいんじゃないか?」 古泉「それがあなたの答えですか?」 キョン「あぁ、正直恩を仇で返すようで悪いがな。佐々木を差し出せ?ふざけるな!」 古泉「お察しします」 キョン「今はお前のそのすかした態度にさえ嫌悪感を覚えるよ」 古泉「……少し冷静になって聞いてください」 キョン「冷静に!?お前この状況で冷静になれってのか!」 古泉「はい。僕は最初にこれは機関からの指令で、半信半疑だと言ったはずです」 キョン「くっ……そうだったな……悪かった」 古泉「いえ、あなたの怒りは間違っていませんから」 キョン「じゃあ、お前の言葉で喋ってくれよ?」 古泉「はい。今回のことについて、勝手ながら朝比奈さんに話させてもらいました」 キョン「朝比奈さん?」 古泉「彼女は遠い未来から来た人間です。たいていは禁則事項と言葉を濁されましたがね」 キョン「で?」 古泉「はい。しっかりと明言はしなかったものの、彼女のいた未来は、あなたと涼宮さんが添い遂げた後の世界とみていいでしょう」 キョン「俺とハルヒが……」 古泉「つまり、あなたが涼宮さんと付き合わなかったことで、一つのパラレルワールドが発生した」 キョン「俺が作ったてのか?」 古泉「この世には数多のパラレルワールドが存在してます」 キョン「そのうちの一つがこの世界か」 古泉「はい。しかし、朝比奈さんは今の時代に居続けている。これは彼女の未来が消滅ではなく、独立したからだと思います」 キョン「なら、朝比奈さんはこの時代に残る必要がないだろ?」 古泉「そうですね。そちらのほうはどういった経緯があるか分かりません」 キョン「そうだな。それは朝比奈さんに聞くべきか」 古泉「そうしてください。そして、多々あるであろうこのパラレルワールドの中のこの世界では、二人の神と二人の鍵が存在しています」 キョン「二人の鍵?」 古泉「あなたは新たに、佐々木さんの鍵になったということです」 キョン「待て、あいつは能力のことを知ってるんだろ?」 古泉「そのはずです。しかし、もし、あなたが強く何かを望めば彼女はそれを叶えてあげたい、そう考えると思いませんか?」 キョン「……そうだな。俺でもそうだ」 古泉「そういう意味でもあなたは鍵です」 キョン「やれやれ」 古泉「そして、これは怒らないで聞いて欲しいんですが……」 キョン「努力はするよ」 古泉「これは僕としては非常に重要な確認事項です」 キョン「なんだ?」 古泉「……あなたは本当に、本当に佐々木さんのことが好きなんですか?」 キョン「……俺の頭の中を佐々木がいじったとでも言いたいのか?」 古泉「どういうわけかあなた自身は、涼宮さんの力の影響をあまり受けませんでした。耐性があるのか分かりませんが」 キョン「それで?」 古泉「しかし、人には相性があります。同じ病気でもかかる人かからない人がいるように」 キョン「病気に例えるな」 古泉「失言でした。……もちろんあなたの記憶を検証する術はありません」 キョン「そうだな。お前が言うには今の世界は三年、いや、四年前に始まった世界なんだからな」 古泉「それも定かではありませんがね」 キョン「俺は佐々木が好きだ。仮にこれが佐々木に作られた気持ちでも、好きなものは好きだ」 古泉「ありがとうございます。しかし自分から聞いておいてなんですが、人の告白というのは恥ずかしいですね」 キョン「言うな」 古泉「んふ」 キョン「それでお前はどうするつもりなんだ?」 古泉「わかりません。涼宮さんの観察が主な仕事ですので、しばらくはそちらになるかと思いますが」 キョン「……機関は佐々木をどうするつもりだ?」 古泉「それこそ分かりません」 キョン「俺がこの申し出をつっぱねることで、お前はどうなる?」 古泉「大丈夫じゃないでしょうか?僕の直属の上司は森さんですし、あの人はかなりの権限をお持ちですから」 キョン「そうか、じゃあ森さんに謝っといてくれ。俺は絶対に協力しないって」 古泉「……伝えます」 キョン「佐々木は、あいつはハルヒの力のことを知ってるのか?」 古泉「分かりかねますね。しかし、あちらにも我々と同様の存在がいますので、知っていると思った方がいいかもしれませんね」 キョン「そうか。まったく、俺はどこで道を誤ったんだろうな?」 古泉「そういう星のもとに生まれたと思って、諦めるしかないですよ」 キョン「まったくだな」 古泉「これから佐々木さんとはどうするんですか?」 キョン「あいつは俺と付き合うことになった時……泣いてくれたんだ」 古泉「……」 キョン「もし、俺の記憶や感情がいじられていたとしてもだ、俺はあいつを裏切ることはないよ」 古泉「ずいぶんと男前なことを言いますね」 キョン「茶化すな」 古泉「すいません」 キョン「そうだな、そのうちあいつには聞くよ」 古泉「その時はご一報を、改変前の対策は必要ですから」 キョン「悪いな」 古泉「それがこの世界での僕の役割ですから」 キョン「かっこつけやがって」 古泉「ふふ」 キョン「それと、胸倉掴んで悪かったな」 古泉「いえ、殴られる覚悟だったのであれで済んで助かりました」 キョン「……なんで古泉だったんだ?」 古泉「……志願しました」 キョン「自分なら俺を説得出来ると?」 古泉「まさか。あなたの性格や反応は理解してます。だからこそ僕があなたに言うべきかと」 キョン「俺のために進んで汚れ役を?」 古泉「そういうわけでもありませんが……仮に僕以外の人間に言われて、はいそうですか、とあなたはなれますか?」 キョン「なれんだろうな」 古泉「ですから僕が適任かと」 キョン「まいったな」 古泉「僕からあなたに伝えるべきことは以上です。何か質問はありますか?」 キョン「この後の機関はどうでる?」 古泉「長門さんとあなたが平和を望んでくれれば、傍観です」 キョン「トラブルが起きたら?」 古泉「そうですね。僕が上役なら、力の暴走の心配が少ない佐々木さんを捕らえて、どんな手を使ってでもこちらに引き込みます」 キョン「引き込む……」 古泉「彼女達の力はとんでもないものです。しかし、制御が利くぶん佐々木さんのほうが実用性があります」 キョン「実用性ってなんだ?」 古泉「涼宮さんの暴走への唯一の抗体、と言えばいいでしょうか?」 キョン「どんな手でもって言ったな?」 古泉「洗脳、薬漬け、人質等、機関全ての人間が良心を持っているわけではありませんから」 キョン「クソッ!」 古泉「無論、そういったものが通用するかは分かりませんがね」 キョン「……」 古泉「……以前の僕の言葉を覚えてますか?」 キョン「……なんだ?」 古泉「……僕は機関の人間ですが、一度なら機関を裏切ってもいい、という内容の会話ですよ」 キョン「あったな、そんなこと」 古泉「もし、佐々木さんや涼宮さんに先ほどのような危害が加わるようでしたら、一度と言わず何度でも」 キョン「かっこつけすぎだ」 古泉「んふ」 キョン「話はこれで終わりか?」 古泉「はい。これが今の僕らを取り巻く現状です」 キョン「……はぁ。ただの高校生のつもりだったんだけどな」 古泉「ただの高校生でも世界を背負うことがあるとは、僕も想像してませんでした」 キョン「安っぽい世界な事で」 古泉「まったくですね」 キョン「ほんと、嫌になるよ」 古泉「諦めることで見えてくるものもありますよ」 キョン「そんなのはゴメンだな」 古泉「でしょうね」 キョン「さて、会話を高校生らしい内容に戻すか」 古泉「平気なんですか?」 キョン「俺が悩んだら解決するのか?するんだったらいくらでも考えるさ」 古泉「……」 キョン「俺が暴走するなんて有り得ないと思ってる。長門は、まあ前科持ちだが、もう大丈夫だろ。なによりハルヒも信頼してる、もちろん俺もだ」 古泉「希望論ですね」 キョン「それのなにが悪い」 古泉「悪いとは言っていませんよ。ただあなたは当事者の一人なんです」 キョン「じゃあ俺になにが出来る?」 古泉「今の状況を維持することです」 キョン「だろ?だったら俺とお前の関係も維持しなくちゃな。同じ部活の友人としてのな」 古泉「そういったことでは……」 キョン「それに!」 古泉「……なんです?」 キョン「どうしてもお前に聞かなくちゃいけないことがあるんだ」 古泉「僕にですか?」 キョン「あぁ。……古泉、お前はもう……」 古泉「……」 キョン「ヤったのか?」 古泉「……は?」 キョン「ヤったのか?」 古泉「な、なにをですか?」 キョン「とぼけるな。野郎が二人いてこの質問だ、意味は分かるだろ?」 古泉「話の主旨が変わりすぎてますよ」 キョン「……さっき、AVは処分されたと言ったな。何でだ?」 古泉「それは……仕事には関係なかったので」 キョン「男なら、小言の一つはあっても処分するような真似はしないだろうな。しかし、女なら」 古泉「……」 キョン「そういった嗜好品にすら嫉妬をする……らしい」 古泉「だからなんなんですか?」 キョン「お前に彼女がいることは知っている。おまけにお前が勝手に処理するのを許せんらしい」 古泉「聞いてどうするんです?」 キョン「今後のために教えてもらう」 古泉「呆れましたね」 キョン「仕方ないだろ。俺は経験がないんだ」 古泉「今日は真面目な話をするつもりだったんですけどね」 キョン「俺は至極真面目だ」 古泉「だから呆れてるんですよ」 キョン「で、どうなんだ?ヤったのか?」 古泉「……ええ」 キョン「……」バシ! 古泉「いた!な、なにをするんですか!」 キョン「俺の予想通りの相手だと思うと、お前が憎くてな」 古泉「自分で聞いてきたんじゃないですか!?」 キョン「そうだったな。で、どうだった?」 古泉「まったく……そうですね、正直なところあれは重労働です」 キョン「そうなのか?」 古泉「慣れるとそうでもありませんが、最初はかなり体力を使いましたね」 キョン「そういうもんか」 古泉「とにかく、がっついてはダメですよ?彼女なんだから大切にしてあげないと」 キョン「分かってるよ。それでやっぱりリードはした方がいいのか?」 古泉「僕の場合はリードされっぱなしでしたよ」 キョン「……相手は大人の女性ってことだな?」 古泉「……」 キョン「まぁいい」バシ! 古泉「だから叩かないで下さいよ」 古泉「なんであなたは森さんに固執するんです?佐々木さんに失礼では?」 キョン「おや?大人の女性とは言ったが、森さんと言った記憶はないぞ?」ニヤ 古泉「!!!」 キョン「とりあえず答えてやろう。自慢をするわけじゃないが佐々木は俺にはできた彼女だと思う」 古泉「そうですね」 キョン「おい」 古泉「んふ。続けてください」 キョン「ったく。しかしだ、俺の予想の相手がお前の彼女ならうらやましい」 古泉「何故です?」 キョン「いいじゃないか!年上だぞ?憧れるだろ!?それ以外に理由があるか?おまけにリードしてもらっただと!」 古泉「す、少し落ち着いてくださいよ」 キョン「またむかついてきた!」バシ! 古泉「いい加減にしないと怒りますよ」 キョン「もう二時半か、そろそろ帰るわ」 古泉「分かりました。少し待っていただければ迎えが来ますので」 キョン「すまない。この時間じゃ、警察に捕まっちまう」 古泉「では、連絡してきます」 キョン「ついでだ、なんか元気がでるCD貸してくれ」 古泉「では、Ka○ser Chiefsの3rd、Los Cam○esinos!の1stと、Johney F○reignerでいかがでしょうか?」 キョン「よく分からんが、ありがたく借りとくよ」 古泉「全てUKです。どれもオススメですよ」 キョン「ちゃんと聞くよ」 キョン「それじゃな」 古泉「はい、お疲れ様でした」 キョン「あぁ~、そのな、ちょっと照れくさいんだが」 古泉「?」 キョン「ありがとな、古泉。さっきの猥談はともかく、お前には色々助けてもらってる」 古泉「いえ、そんなことありませんよ」 キョン「これからも頼りにしてるぞ」 古泉「……はい」 キョン「じゃあな」 ガチャ 古泉「……」 pr ガチャ 森「もしもし」 古泉「こんばんは、出るのがお早いですね」 森「……たまたまよ」 古泉「そうですか」 森「で、どうだった?」 古泉「全て話しましたよ。機関の考えも、僕の考えも」 森「彼はなんて?」 古泉「怒ってました。でも最後には……僕のことを頼りにしてると」 森「そう」 古泉「少し泣きそうになってしまいましたよ」 森「いい交友関係に恵まれたわね」 古泉「ええ、本当に」 森「今日はもう休むといいわ。疲れたでしょ?」 古泉「そうですね。そうします。あっ、それと森さん」 森「なに?」 古泉「ばれました」 森「だからなにが?」 古泉「彼が意外に鋭くって、誘導尋問ではめられました」 森「……もしかして」 古泉「すいません」 森「も、もう切るわよ!」 ピッ 古泉「ふふふ、おやすみなさい」 古泉「……」 古泉「……」 古泉(頼りにしてるか……参ったな) ~Fin~
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ハルヒ「キョン、キョン恐いよキョン!」 ① ② ③ ④ 戻る 次へ 1 :名前なし:2009/05/06(水) 00 09 24.42 ID L16jdEMsO 「あれ、ここは・・・・」 そこは見慣れたいつもの教室だった。俺はどうやら居眠りをしてしまったらしい。 冬の空気は冷たいが窓から差し込んでくる西日が暖かく、心地よい眠気を誘っている。 立ち上がり教室の隅にある時計に目をやると、短針は午後六時を回った位置にあった。 こりゃ大分寝てしまったようだな。確か掃除が終わって机に突っ伏しているうちにうとうとと・・・ いや違う、委員会の仕事が終わって教室に戻ってきてからだったかな、寝たのは。 はっきりと思い出せない。勉強疲れだろうか。先日の期末テストはなかなかの出来だったと思うが、まぁ自分にしては珍しくテスト勉強を頑張ったからな。 とりあえず早く家に帰らねばなるまい。妹や母に無駄に心配をかけると後々うるさいからな。 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/06(水) 00 15 12.31 ID L16jdEMsO 「ただいま~」 「おかえりキョンくん~、今日は遅かったねぇー」 小学五年生の妹が相も変わらず元気な声で出迎える。こいつは本当に元気だねぇ。俺も小学生の時はこんなに元気だったかなと記憶を辿ってみるも、今とあまり変わらなかったような気もする。 しかし、実の兄のことをキョンくんと呼ぶのはいい加減やめてもらえないものか。 「キョンくん、昨日はシャミしゃべった~?」 妹は一体何を言っているのかね。ちなみにシャミとは先月からうちで飼っている猫のシャミセンのことだ。俺の妹だけに頭の出来はあまりよろしくないとは思っているし、サンタクロースの存在をいまだに信じている我が妹だが、さすがに「ネコしゃべった~?」はないだろう。 言葉を話すのはなぁ、理性を手に入れた人間だけに許された特権であり・・・と我が妹を諭していると、 「なに言ってるのキョンくん、このまえキョンくんがシャミとおしゃべりするって言ったんだよ」 んなばかな。そんなこと言った記憶は全く無いね。 10 :名前なしなし:2009/05/06(水) 00 24 30.50 ID L16jdEMsO 「ぶー、キョンくんのいじわる。昨日はおしえてくれなかったんだから今日おしえてよ~。」 昨日も何も知らないものは知らないのだが・・・。 怒った顔で頬をふくらませていた妹だったが次の瞬間には 「あ、キョンくんご飯できてるよ。はやくはやく~」 はしゃぎながらトテトテと食卓へと駆けていくのであった。全く元気なものだ。 しかし、俺がシャミセンとおしゃべりをすると言った、か。 妹に特に嘘を言ってからかう様子は見られなかったのが気にかかるが、残念ながら俺にはその記憶が無い。本当だ。 11 :名前なしなし:2009/05/06(水) 00 26 25.59 ID L16jdEMsO 「・・・昨日か」 何となく引っかかる。昨日、俺は何をしたか。普通に学校に通い、普通に下校するという特に執筆するほどのものでもないどこにでもいる高校生のごく一般的なスクールライフを送った・・・はずだが、 なぜだろう。昨日のことなのに自分の記憶に自信がもてない。さらに記憶を辿ろうとしたが、特に具体的な部分となると全く分からなくなる。弁当の具や谷口や国木田とした会話の内容、学校帰りに寄った店などについては全くもって覚えていない。 やはり勉強疲れかね。一応これでも国立大学を目指している身だ。つい最近担任の岡部に進路指導で呼び出され諭されたこともあり、まぁそれでなんとなくスイッチが入ったとも言えなくも無い。 どーでもいい昨日の記憶を留めている脳細胞に英単語を記憶させた方がよっぽど有意義に決まっている。俺の脳みそも少しは分かってきたのかね、と超ポジティブ思考でごまかすことにして、今日は記憶についてはこれ以上考えないことにして食卓に向かった。が、 この時は、翌日に思いも寄らぬ出来事が我が身にふりかかろうとは思ってもいなかった。 17 :名前なしなし:2009/05/06(水) 00 30 50.24 ID L16jdEMsO 翌日。十二月二十一日 昨日の夜は何となく寝つきが悪かったためにイマイチ熟睡できず、その影響で朝に2度寝してしまったために予鈴ギリギリの到着かと思いきや、焦ったために逆に少しだけ余裕を持って我が学び舎に到着することができた、そんな俺に、 「ようキョン」 話しかけてきたのは悪友の谷口だった。成績は俺とどっこいどっこい、試験では毎回赤点スレスレを低空飛行する仲だ。 こいつのせいで、まぁ自分と同じ程度の成績の奴がのんびりしているのだから自分もまだ大丈夫だろうとどこかで思ってしまうために、何か勉強に身が入らなかったのかもしれないが、いかんせん今回の試験では俺のほうが上だろう。こいつの驚く顔を見るのが楽しみだぜ。 「おす谷口」 適当に挨拶を返す。 「でキョン、そろそろ頭は冷えたか?」 「頭が冷えた?何の話だ。確かに一週間前から風邪ははやっていたようだが、俺はひいてない。よって熱も出ていない。36度代だ、多分。むしろ風邪をひいて熱を出していたのはお前のほうだろう。」 19 :名前なしなし:2009/05/06(水) 00 32 35.68 ID L16jdEMsO 「何言ってんだキョン、昨日はあれだけおかしい振る舞いをしといて今更誤魔化そうったってそうはいかねぇぞ。涼宮には会えたのか?え?あいつは昔からツラはいいからなぁ、黙って突っ立ってりゃ俺様的美的ランクAAを与えてやっても良かったものを、あの訳分からねぇ性格のせいでよぉ・・・まぁお前がヒトメボレするのもなんとなく分かるが、あいつはやめといた方がいい・・・」 「待て待て谷口、お前は何を言っている。おかしな振る舞いってなんだ。というか涼宮というのが誰なのかが分からん。そんな一発で漢字に変換できそうもない苗字の知り合いなんぞ俺にはいないぞ。」 「そうかぁ・・。キョン、お前の気持ちは分かる。授業を途中でボイコットしてしまうほどのヒトメボレをして涼宮に告白したはいいが、ものの見事に玉砕したわけだ。涼宮はそういう所は容赦ないからなぁ。あまりの玉砕っぷりにもうお前の中では思い出したくない記憶となっているんだろ。分かるぜキョン、まぁこのことは男と男の秘密にしといてやるよ・・・」 22 :名前なしなし:2009/05/06(水) 00 34 37.68 ID L16jdEMsO 「授業をボイコットしたのか?俺が?」 谷口はさらに怪訝そうな顔をして、そこまで誤魔化そうとするならば昨日のお前のおかしな振る舞いを逐一教えてやるぜと言い、頼んでもないのに語り始めた。 谷口の話によると、昨日、いや一昨日から俺の調子はおかしかったらしい。我がクラス委員長である朝倉涼子に向かってお前はなぜここにいる、とか、お前は俺を殺したくなったことはあるか、とか、訳のわからないことを話し、谷口から涼宮とかいう奴の所在を聞いた途端、仮病を使い学校を抜け出したりしたらしい。 全く持って信じられん。というか覚えていない。記憶に無い。 「はぁ・・・。まだとぼけるかねぇ。まぁ相当なショックだったってのは分かるぜ。しかしなぁキョン、男はフられてフられt・・・」 23 :名前なしなし:2009/05/06(水) 00 36 25.97 ID L16jdEMsO 谷口の話は途中から聞いていなかった。そういえば昨日は妹も変なことを言っていた。 谷口も、まぁ嘘をついているようには見えない。昨日、いや、一昨日もか。 俺の記憶があやふやなのは事実だ。 これはどういうことだろうか。若年性アルツハイマーか? いやさすがに十代での発症は早すぎるだろ。しっかりしてくれよ俺。 予鈴直前に俺の後ろの席の住人である委員長・朝倉が教室に入ってきた。 朝倉も何か言ってくるのかと思いきや何も言わず、代わりに何か意味ありげな目線を俺に投げかけてきたところで担任の岡部が入ってきて俺は前を向いた。 29 :名前なしなし:2009/05/06(水) 00 47 10.81 ID L16jdEMsO ちなみに今は期末試験終了後の午前授業の日程だ。ああすばらしきかな午前授業。脳を休めるには最適な期間だ。 授業中や休憩時間までも、何人かのクラスメイトが怪訝そうな目で俺を見てきたが気にしないことにする。うららかな日差しのせいで窓際後方二番目というなかなかの席にいた俺は睡眠不足もたたり半分夢の世界のままに午前中は終り、午前中で学校が終わるというのにわざわざ弁当を作ってくれた母のためにもそれを残すのは心苦しいので、食べてから下校することにした。 しかしながらゆで卵が半熟ってのはどうなのかね。目玉焼きなら分かるが。後で文句でもつけてやろうかと考えていると、 「おっ、おいキョン!!」 谷口だった。焦った様子で近づいてくる。谷口よ、いくらアホなハイテンションだけがとりえのお前だからといって、他人が弁当を食っている時くらいは落ち着いて欲しいね。午前授業だというのに我が母がつくってくれた弁当がまずくなるじゃないか。 30 :名前なしなし:2009/05/06(水) 00 48 51.13 ID L16jdEMsO 「うるせぇ、それどころじゃねぇよ!」 「何が起こったってんだ。AAA+の美少女でも見つけたのか。」 「涼宮が来ているぞ。お前に用があるらしい、職員室だ。」 なんと。 しかし涼宮ねぇ。そういや下の名前聞いてねぇな。全く、なんで一度も会ったことの無い奴に呼び出されにゃならんのだ、しかも他校の生徒に。他校に乗り込んでまでの用事なんだから相当重要なんだろうな。一応急いでおくか。 なぜかは分からないが、少しだけ楽しみだったな。最低でも職員室の扉を開けるまではそう思っていた。 職員室のドアを開く。そこには4つの人影があった。そのうちの2人は我が北高の制服、残りの2人は坂の下の進学校、光陽園の制服だった。 32 :名前なしなし:2009/05/06(水) 00 49 56.89 ID L16jdEMsO 光陽園の制服を着た女子がこちらに進んでくる。腰まで伸びた長い黒髪に大きな目、整った顔立ちからは気の強そうなオーラが放たれている。 直感で分かったね。こいつが涼宮だって。 「お前が涼みッ・・・!!!」 言い終わらないうちに胸元に強い力が加えられた。反射的に振りほどこうとするが、なんというバカ力か、女子高生とは思えないね。 「ゲホッ、ゲホ、なにしやが」 「あんた、昨日はどんなトリックを使ったのよ!」 また言い終わらないうちに発言を中断された。とりあえずこの手を離しやがれ。 十秒程度にらめっこした後、涼宮らしき女は手を離した。それにしても妹や谷口や朝倉に続いてこいつらもまた昨日か。 一体何があったんだろうねぇ。どーせ例によって俺にはお前らが話すことの記憶は残ってないだろうがな。 33 :名前なしなし:2009/05/06(水) 00 51 23.00 ID L16jdEMsO 「ったく、いきなり何しやがる。トリックも何も俺はお前らとは初対面だ。きちんと自己紹介して事情を説明してもらわにゃ困るね!」 「何言ってんの、昨日会ったでしょ。光陽園の前であたしたちを待ち伏せしてたじゃない。それから喫茶店に行ってあんたの話をきいてそれから・・・」 「涼宮さん」 もう一人の光陽園からのお客さんが口をひらいた。身長は俺よりも高く、顔にフヌケた微笑を浮かべている。 それなりにイケメンだと評価してやってもいいのだが、なぜかこいつを見ているとなんとなくムカついてくる。それからやはりこの女が涼宮で合っているようだな。 「どうやら、昨日の彼が言っていたことは本当のようです。そして今の彼と昨日の彼は別人なのでしょう。こちらの彼が覚えていないことが何よりの証拠です。」 35 :名前なしなし:2009/05/06(水) 00 53 22.50 ID L16jdEMsO 「本当に私達のことを覚えていないのですか?私達だけではなく、こちらの北高のお二人とも面識は無いのでしょうか?」 光陽園の2人のインパクトが強すぎてほとんど視界に入ってこなかったが、あらためて俺は北高の制服を着た二人を見た。 一人は、 覚えている。ボブカットを更に短くしたような髪型が、眼鏡をかけ大人しそうな雰囲気を放つ顔を覆っている。半年ほど前図書館でこいつと会った。図書館の職員がみんな忙しそうにしている中、カウンターの前をうろちょろしていたこいつに声をかけ、図書カードを作ってやった、名前は確か・・・ 「長門、長門だよな・・・確か、長門有希。前に図書館で会った・・・。」 「・・・そう」 長門は、そのそれなりに整った顔に微笑を浮かべた。いやいや、なんか俺も嬉しいね。最近は俺の記憶と周囲の記憶が食い違ってばかりだったからか、記憶が事実とが一致すると安心する。当たり前のことのはずなのだが。長門もそんな笑みを浮かべていたような気がする。 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/06(水) 00 53 31.08 ID 9pN+Icq60 ああ、なるほど。 38 :名前なしなし:2009/05/06(水) 00 54 58.29 ID L16jdEMsO 長門から右に約1mほど視線をずらして目に入ってきたのは、小柄な少女だった。しかしこれがまたすんげー美少女だった。俺と目が合った瞬間に目線をそらされてしまったのが何となくショックだったが、谷口に見せれば間違いなくAAAの評価を下すであろうぶっちぎりの美少女がそこにいた。 この人と直接会話をしたことは無いが、校内で何度か見かけたことがあるような気がする。たしか2年の・・・ 「あ、朝比奈さん・・・ですよね?二年の・・・」 「は、はい」 なぜか怯えた様子で返答する朝比奈さんだったが、怯えている様子もまた可愛い。しかし今はそんなことを考えている場合ではない。 「朝比奈さんとは会話をするのは今が初めてなはずですが、そうですよね?」 「えっ・・・いえ、あのっ・・・その・・・」 「あんた、本当に何も覚えてないの?昨日のことなのよ?」 涼宮が割り込んできた。覚えてないものは覚えてない。なぜかは分からんが昨日と一昨日の記憶がはっきりしない病に感染してしまったのだ俺は。というかそんなに昨日が好きか、え?過去に囚われてばかりじゃ人は前に進めないぞ。 41 :名前なしなし:2009/05/06(水) 00 56 23.93 ID L16jdEMsO 気が付くと俺たちは職員室中の視線を独占していた。ニヤケ野郎もそれに気が付いたのか、 「分かりました、ではあなたの昨日以前の行動について私達の知っている限りをお話しましょう。できれば5人きりで話ができる場所に移動したいのですが。」 42 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 00 20.35 ID L16jdEMsO 俺を見られても困る。第一俺は部活にも応援団にも生徒会にも属していない。部室かプライベートルームを提供しろったって無理だね。そう思っていると、 「長門さん、いいわよね?」 「・・・かまわない」 えっ。 ということで俺たちは五人揃って移動中だ。先頭に光陽園の二人、続いて長門と朝比奈さん、最後尾に俺だ。向かっているのは通称「部室棟」の二階にあるらしい文芸部室。部室棟には入学直後の部活動見学の時に一回入ったきりだ。結局俺はどの部活動にも所属することなく帰宅部部員としての部活動を全うするべく毎日をすごしているのだが、まぁそんなことはどうでもいい。 というかなぜ光陽園の二人が先頭を歩いているのだろうか。周囲の目線をこれでもかと浴びまくっているが二人に気にする様子は無いし、他校に来たというのに全く迷う様子が無いのはなんでだ。忍び込みでもしたのだろうか。 文芸部室は思っていたより質素な部屋だった。本棚とパイプ椅子数個、折りたたみ式長テーブルとその上に置いてある旧式のデスクトップパソコン、目に付くのはこれくらいかな。しかしこのパソコンは大分古いな。アンティーク物だ。 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/06(水) 01 00 35.76 ID whDmWwUZO キョンが、PCの前から消えた後の話か 44 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 01 41.55 ID L16jdEMsO 俺はとりあえず本棚の近くのパイプ椅子に腰をかけた。向かいに朝比奈さんが座り、涼宮は朝比奈さんの隣、長門は窓際のイスに座る。ニヤケ野郎の分のイスは無かった。 「さて、どこからお話しましょうか。」 「まず自己紹介から頼む。最低でもお前にはしてもらわないと困る。苗字も名前もイニシャルも知らんからな。」 「おっと、これは失礼しました。僕は古泉一樹と申します。見ての通り光陽園の一年生です。よろしくお願いしますね。」 ニヤケた笑みと同時に手が差し出され、とりあえずは握り返しておいた。 「あたしは涼宮ハルヒ」 そんだけかよ。ハルヒってのか下の名前は。 46 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 02 50.89 ID L16jdEMsO 「俺は・・」 「あんたはいいわ。もう知ってるもの。ジョン。ジョンでいいわよね。」 「お前は俺の話を中断させるのが趣味なのか?しかもなんだジョンて。俺にはいとこの叔母が勝手につけたマヌケなニックネームはあるがそんな欧米人的なあだ名で呼ばれたことは無いぞ。」 「なによあんた、キョンとかいうマヌケなあだ名がそんなに気に入ってるわけ?変な趣味してるわねぇ。気が知れないわ。」 「気に入ってはいない。どちらかといえばやめて欲しくはあるが、というかマヌケって言うな。自分でも自覚してはいるが他人に突っ込まれるとなぜかむかつく。」 47 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 04 53.09 ID L16jdEMsO 「てゆーかなんでお前は俺のあだ名を知っているんだ。谷口にでも聞いたのか?」 「それも込みで、昨日以前のあなたの行動についてお話しましょう。」 古泉が言った。 「確認しておきますが、あなたの記憶がはっきりしているのはいつまでですか?昨日と一昨日の記憶が無いとおっしゃられておりましたが、では三日前はどうです?」 いちおう考えてみる。今日は十二月二十一日、三日前は十八日。何をした。俺は何をした。 「思い出せない・・・」 とりあえず形だけでもそれっぽくすれば浮かんでくるものもあるかと思い、考える人並みに考えるポーズを取った俺だったが、脳から有益なアウトプットがなされることは無かった。 「そうですか。十二月十八日といえば、あなたが朝比奈さんと長門さんに接触した日ですね。朝比奈さん、彼がどんな様子だったかをお話してくださいませんか? 52 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 10 01.69 ID L16jdEMsO 俺は朝比奈さんの方を見る。この小柄な上級生はなぜか俺のことを恐がっているようだった。極度の人見知りなのだろうか。 「は、はい、えっと・・・」 朝比奈さんの話によると、あろうことか俺は廊下を歩いていた朝比奈さんにかけよりいきなり両肩を鷲づかみにし、涼宮がどうとか古泉がどうとか訳分からないことを連呼したらしい。この時点での朝比奈さんは涼宮とも古泉ともまだ会ってなかったらしいから、彼女も混乱するばかりだったという。 「わ、私のことを未来から来たとも言っていました。」 未来から来た?一体何のことだ。そういうオカルトチックな話には正直ついていけそうにないのだが。俺に記憶が無いことはもう書き飽きたが、しかし朝比奈さんの言っていることが本当ならば俺はこんな美少女に暴挙を働く所だったのか。なんということだ。 53 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 11 12.43 ID L16jdEMsO 「それから、わ、わわ、」 なぜか顔を赤くしながら、 「わたしの、その、む、胸のここらへんに、ほ、星型のほくろがあるはずだから、見せてくれって・・・」 なんと。 「本当に俺がそんなことを言ったんですか?」 「は・・・はい」 なんたることだ。我が家系の末代までの恥だこれは。記憶が無いとはいえとりあえず謝っておかねばなるまい。 「朝比奈さん、すみませんでした。本当に申し訳ない。」 「いえっ、わ、私のほうこそグーで、その、殴ったりしてごめんなさい、痛かったですか?」 どうやら俺は手痛い反撃を食らっていたようだな。全然大丈夫ですよ朝比奈さん、どうやら殴られて当然のことを俺はしたみたいっすから。気にしないでください、覚えてないですし。なるほど、だから朝比奈さんは俺を恐がっていたのか。 54 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 12 22.61 ID L16jdEMsO しかしどうなってんだ。未来人?全く意味が分からない。未来人で思い浮かぶのはスーパーサイヤ人のトランクスくらいだが、朝比奈さんとトランクスに共通点があるとは微塵も思えない。 三日前の俺はこんな漫画の世界と現実とを混同してしまうほどに混乱していたとでも言うのかね。 「次にあなたが接触したのは長門さんですね」 とニヤケハンサム顔の古泉が言い、俺は長門を見る。 「・・わたしがいつものように部室で読書をしている時にあなたが突然あらわれた。そして私が宇宙人だとか、魔法のような力をいっぱい持っているとか、ホームラン専用バットを作ってくれたという話をしてくれた。でも、わたしには全くわからない話だった。」 未来人の次は宇宙人か。 57 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 14 03.46 ID L16jdEMsO 「あなたはこうも言っていた。昨日と今日で世界が変わっている。ハルヒの変わりに朝倉がいる。朝倉はわたしの同類。それから情報統合思念体・・・」 長門は話しを続けるが、ますます意味が分からなくなってきた。こいつら全員で俺を篭絡しようとしているんじゃないかと思えるほどだ。記憶が無いとはいえ、未来人だとか宇宙人だとか世界が変わっただとか、こんな話をされたら何言ってんだこいつら?ってなるだろう普通なら。 「その日あなたはパソコンをいじって、帰った。」 「このパソコンに何かしらのカギになっていることは間違いないのよ!」 涼宮が口を挟んできた。 「どうです、記憶が戻ってきたりはしませんか?」 「全く無い。これはもう思い出すとかより元々その記憶自体が無いと表現した方がいいかもしれんな。俺の脳は見事に何も無いと言っている。」 58 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 17 03.92 ID L16jdEMsO 「次の日もあなたはここに来てくれた。あなたは本棚にある本を手にとってある栞を見つけた。その栞には私の字でこう書いてあった」 『プログラム起動条件・鍵をそろえよ。最終期限・二日後』 その栞に書いてある文字は長門が書く文字と似ているが、長門自身は書いた覚えは無いのだという。じゃあ誰が書いたんだよ。 「向こうの世界の長門さんが書いたものだと思われます。どうやらその栞が、昨日以前のあなたにとって大事な手がかりとなるものだったのでしょう」 向こうの世界?なんじゃそりゃ。もうね、話が飛びすぎててわからん。お前、頭がおかしいんじゃねーのか。宇宙人とか未来人とかばっかだが、お前らはオカルトマニア研究会なのか?俺を勧誘しようってのなら他を当たってくれ。そんなもんに興味なんぞ無いからな。 60 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 18 20.70 ID L16jdEMsO 「僕の頭がおかしくなったという可能性も十分にあります。僕自身も昨日の出来事については、その出来事を目の前で見ていたにもかかわらずまだ信じられない部分もあるのですよ。それについても追って説明しますので、とりあえず今は僕達の話を聞いていただけないでしょうか」 その後俺は本棚の本を端から端まで調べたらいが、その俺にとって必要な物はその栞以外には見つけられなかったらしい。 しかもその日の俺はなんと、長門の家に単身乗り込んだのだという。先ほど朝比奈さんに乱暴を働いた話を聞いたばかりなので、長門に対しても何かしてしまったのかと心配になり反射的に謝ろうとしたのだが、特にそのようなことはしなかったらしい。 ほっと長門の胸を撫で下ろす。途中朝倉がおでんを持って来て三人で食事をしたらしいが、今朝の朝倉の妙な目線はこのせいだったのだろうか。 61 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 20 00.07 ID L16jdEMsO さて、どうやら一番重要らしいのは昨日、十二月二十日だ。昨日は途中から記憶がある。 冒頭の通りだが、いねむりから目を覚ましたのが午後6時付近、それ以降の記憶は執筆した通りだ。 それから谷口の話によれば俺は学校を途中でぬけだし、涼宮に会いに行ったそうだが・・・。 「そこまで話を聞いているのでしたら説明は早いですね。僕と涼宮さんがあなたと出合ったのはまさに昨日です。光陽園も午前中で授業が終わる日程でしたから、掃除が終わった後、僕と涼宮さんは校門を出ました。」 「あんたに会ったのは校門を出てすぐ。いきなり「おい!」って声かけられて最初は何こいつ?って思ったんだけど、あんたはあたししか知らないはずのことを言った」 何を言ったんだ俺は。ハルヒは少し間を置いてからこう話した。 「あたしはね、まぁ自分でこんなこと言うのもなんか恥ずかしいから嫌なんだけど・・・いいわ、特別に説明してあげるから感謝しなさい」 63 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 21 29.29 ID L16jdEMsO 「何に感謝しろって。行為の前にお礼を言うやつがどこにいる。」 「うるさいわね、とりあえず聞きなさいよ」 俺は塩をかけられたナメクジのように黙って涼宮の話を聞くことにした。 66 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 24 34.64 ID L16jdEMsO 「中学一年生の時よ。ある夜にあたしは思うことがあって東中に忍び込もうとしたの。鍵は事前にくすねておいたんだけどね。さて忍び込もうと思った時にあたしに声をかけてくる奴がいたわ。「おい」ってね。そいつは北高の制服を着ていた。やけに協力的だったからあたしはそいつと一緒に、白線を引く道具あるでしょ?名前忘れたけど。それで校庭にメッセージを描いた。織姫と彦星宛のね。メッセージの内容は『わたしはここにいる』 描き終った後そいつに名前を聞いたわ。その時のそいつはこう答えた。『ジョン・スミス』ってね。 まぁその時は大して気にもしなかったんだけどね。校庭のメッセージは翌日には新聞に載るほどの大騒ぎになってたけど、あたしは自分から犯人を名乗り出たわ。別に悪いことをしたつもりなんかなかったもん。だけど、犯人に私以外に北高の生徒がいたこと、そいつがジョン・スミスだと名乗ったこと、それからメッセージの内容については誰にも言ってない。だから私以外に分かる人がいるはずなかったの」 67 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 25 39.01 ID L16jdEMsO なるほどな。この際夜中に忍び込んで織姫と彦星宛のメッセージを描いたなんてアホなことについては突っ込まないでおこう。そして、昨日の俺がお前にいったことってのは・・・ 「そう、あんたがあたしに言ったのは、自分がジョン・スミスだってことと描いたメッセージの内容の『わたしはここにいる』について」 なるほどな、いやしかし待て、ええと、飛びすぎた話ばかりで大分頭が混乱しているがそれだとおかしい話になるのは俺だって分かる。 「おかしいだろ、お前とジョン・スミスが出会ったのが三年前だから、仮にそいつが北高の一年だったとしても昨日の時点ではもう卒業しているだろう。出会えるはずがない。昨日の俺が本当にそんなことを言ったとしても時間的にありえないだろう」 「あたしもそう思っていたわ。でもね、三年前のあの日にジョンに会った後、あたしは北高の生徒を全員調べたわ。張り込みだってした。でもジョンらしき人を見つけることはできなかった。なぜならジョンはもう北高にはいなかったから。」 68 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 26 41.15 ID L16jdEMsO もう反論する気すら起きない。話が破綻しているだろう。こいつらは話が読めているみたいだが俺にはもう大分前から話がかみ合っていない。帰っていいかな、俺。 「この後、あなたと私達は駅前の喫茶店に場所を移し、さらに興味深いお話を聞かせてくれました。そうですね、昨日の彼と今の彼を分けて説明するために、昨日の彼をジョンさん、こちらの彼をキョンさんとして分けて考えましょう。涼宮さん、いいですよね?」 俺のニックネームなのに古泉は涼宮に許可を求める。俺に求めろ、俺に。 まぁいいわとの涼宮の一言で俺はジョンからキョンに戻った。全然嬉しくないがな。 ジョン、まぁつまり昨日までの俺が古泉達に話して聞かせた内容を一部紹介すると、ジョンの世界では涼宮は北高に入学し、古泉も北高に転校してきたらしい。 涼宮には自分の思い描いた通りに周囲を変える得体の知れないスーパーパワーが宿っているが本人はぞれに気付いておらず、その力のせいでジョンやSOS団の面々が大分苦労した話、あ、SOS団ってのはジョンの世界でこの五人が結成した謎の団のことらしい。 69 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 28 13.24 ID L16jdEMsO 北高では同好会って位置づけになってるらしいが生徒会には認められてないとかなんとか。これがまたマヌケな正式名称で、世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団、略してSOS団らしいが、ジョンの方の俺はなぜこんな団の結成を止めなかったのかね。止めようとしたがハルヒの勢いに押されて仕方なくって感じなのだろうか。そんな気がする。 そんなジョンの世界だったが、十二月十八日を境におかしくなってしまった。つまり、俺たちの世界に迷い込んでしまった、あるいは世界そのものがジョンを残して全て変わってしまったと言うのだ。 ジョンは世界を元に戻したいらしく行動していたらしいが。 72 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 29 58.33 ID L16jdEMsO 「特にジョンは三年前のあの七夕の日の時間遡行については詳しく語ってくれたわ」 ジョンの世界では未来人である朝比奈さんの力でジョンと朝比奈さんは三年前の七夕、ハルヒと共にメッセージを描いた日に時間遡行し、メッセージを描いた後、ジョンの世界では神がかった宇宙人的力を持つ長門に三年間の間時間を止めてもらい元の時間軸に復帰した、という話だった。 「つまり私がジョンと会った日にしか、ジョンは私達と同じ場所に存在していなかったということよ。さっきは北高の生徒を全員調べたり張り込みしたと言ったけどその時にはジョンはもういなかったの。いくら探しても見つからなかったわけ。」 ハルヒはでかい目をきらきら輝かせながら説明する。まるで昔から願っていた夢がかなったとでもいうように。反対に俺の顔は台風直前の空模様並に曇っていたことだろう。 確かに、タイムトラベルができるとなれば先ほどの話もつじつまが合う。タイムトラベルを信じるとすればだが。 ここまで来ると俺は半ばヤケになっていた。 73 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 30 52.23 ID L16jdEMsO 「とても今すぐに信じろといわれても無理な話だ。しかしまぁ、今は信じるとか信じないとかは脇に置いておいて、とりあえずそうであると仮定するってことでいいだろうか。まぁそうしないと話が先にすすまなそうだしな。」 「なによ!あたしの言ったことが信じられないって言うの?失礼しちゃうわね」 「仕方ないだろう。信じられる奴がそうそういるわけながい。いるとすればよっぽど頭のいい奴か悪い奴だね。まぁ俺の妹なら信じそうではあるが。」 「まぁまぁ涼宮さん、それで良いではないですか。先ほど言いましたとおり、説明している僕でさえ半信半疑な所があります。あなたの言うとおり、仮定しないと話が先に進まないのですよ」 「ちなみにあなたは、失礼、ジョンさんは僕のことについても語ってくれました」 74 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 32 32.60 ID L16jdEMsO この古泉は超能力者だったらしい。涼宮の機嫌が悪いと閉鎖空間なるアホ空間が出現し、ついでにそこではビルの高さほどもある巨人も出現するらしい。この巨人を倒すのが古泉の役割であり、倒さないと閉鎖空間が広がり続け、終いには閉鎖空間が現実世界と取って代わるとかなんとか。さっき言ったとおり、こいつの言っていることも正しいと仮定したさ。仮定だけどな。 宇宙人に未来人に超能力者に得体の知れないマヌケパワーを持つ奴の集まるSOS団か。さぞ楽しかろうなぁジョンは。ん、待て、ほかの四人には特別な属性があるが俺にはどうなんだ、何か聞いてないのか? 「あんたには何も無いわ」 マジかよ。 「彼は、自分には何の属性も無い唯の一高校生なのになぜ自分がSOS団にいるのかが一番不思議だとも言っていました。なぜなんでしょうねぇ」 「ふん、何のとりえも無いのに団に入れてあげたんだから、あたしに感謝の一つでもしなさいよ」 76 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 33 53.40 ID L16jdEMsO 何故にお前に感謝しなければならん。するならばあっちのお前だろう。まあ多分ジョンはしてないだろうがな。 フン、と涼宮は顔をそらした。うーむ。今朝谷口が言っていたが、確かにこいつはツラはいい。 朝比奈さんと比べてもそんなに見劣りしないしな。男にはモテそうだ。まぁ今はそんなことはどうでもいい、聞きたいことがある。 「ジョンは元の世界に戻したい、戻りたいと言っていたそうだが、その後どうなったんだ?俺がここにいるってことはジョンはどうにかなったってことなのか?」 そういうと古泉は少しだけ神妙な顔をして、 「そうですね、その部分についてまだ触れていませんでしたね。」 古泉は少し間をおいてから言った。 79 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 36 22.47 ID L16jdEMsO 「喫茶店を出た僕たちは北高に向かいました」 北高に?なぜだ。 「侵入するためよ」 あっさり言いやがった。なぜ侵入したんだ。何が目的だったんだ。 「なんとなく見たくなったのよ。ジョンが言ったSOS団ってのをね。楽しそうだったもの。五人集めてあたしたちも団を作るってのも悪くないかなと思ったのよ。五人集めてみて思ったわ、当たりだって。ピンと来たわね、なんかこう、エジソンが蒸気機関を発明した時のアレみたいに!」 ピンときたって感覚についてはまぁなんとなくわかるが。 「のどかわいたわ、みくるちゃん、お茶」 「えっ、お、お茶ですか?えっと、な、長門さん、このコンロつかえますか?」 上級生には見えないが一応上級生である朝比奈さんをいつのまにかちゃん呼ばわりしお茶をオーダーするなんてなんという図々しさか。これがハルヒクオリティか。こりゃジョンも苦労しただろうに。朝比奈さんもそんなに健気にハルヒの命令に従わなくてもいいのに。 80 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 38 12.33 ID L16jdEMsO 「僕ら五人がこの文芸部室にあつまったその時、急にパソコンの電源が入りました」 古泉はそう言って旧型のデスクトップパソコンを指差す。 「彼はパソコンの電源が入るや否やディスプレイに釘付けになり、かなり集中していましたね。僕らの話し声なんかは聞こえていない様子でした。彼は最後にこう言いました」 『なぜなら俺は、SOS団の団員その1だからだ』 どういう意味だ。 「彼がキーボードの何かのキーを押した瞬間、多分エンターキーですね、ジョンさんはいきなり消失しました」 消失したって、どういうことだ。想像がつかんぞ。 「目の前からいきなり消えた、ということです」 「最初はビックリしたんだけど、何かトリックを使ったんじゃないかって思ったわ。だから今日北高を訪ねて来たわけよ。もしあんたがいたらトリックって可能性もあるからね。でもあんたはいたけど、記憶は無かった。ジョンの言葉を信じるしかないわ」 82 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 39 40.13 ID L16jdEMsO 「そういえば長門さん、彼が消える直前のディスプレイの様子をあなたは見ていたのではありませんか?」 「・・・・・・」 長門は無言のままうなずき、 「・・・・見ていた。画面にはわたしがいた」 どういうことだ、長門。 83 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 41 29.71 ID L16jdEMsO 「わたしの、多分別の世界のわたしの彼へのメッセージが表示された」 一字一句正確には覚えていないけど、と長門は続ける。 このメッセージが表示されたということは、そこにはあなた、わたし、涼宮ハルヒ古泉一樹、朝比奈みくるがいるはずである。 それが鍵。あなたは答えを見つけ出した。 これは緊急脱出プログラムである。起動させる場合はエンターキーを、そうでない場合はそれ以外のキーを選択せよ。起動させればあなたは時空改変の機会を得るが成功する保障はできない。 このプログラムが実行されるのは一度だけ。実行されなかった場合はそのまま削除される。Ready? こんな感じだったと思う、と長門。長門が話してくれた栞について思い出す。そこに書いてあったカギというのがこの五人でジョンは時間内にそれを集めた。ジョンはエンターキーを押してこのプログラムを起動させた・・・ということなのか? 85 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 45 18.68 ID L16jdEMsO 「そういうことになるのでしょうね」 と古泉。 「僕たちがジョンさんについて知っていることはここまでです。なんせ消えてしまったわけですからね。どうしようもありません。もっとも、あなたが一世一代の演技をしているなら別ですが」 古泉はそう言って喉奥から不快な音を出した。何度も言うようだがここ三日の記憶は無い。ったく、いい加減言い飽きたぜ。 「そのジョンが消えたのが何時頃なんだ?」 「はずかしながら、僕も気が動転していて正確なところまでは覚えていないのですが、午後五時から六時の間だと思われます。・・・そうか、あなたの記憶がはっきりしているのがそれ以降だということですね」 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/05/06(水) 01 46 54.70 ID Y4ZjBYmUO なるほど、異世界サイドの話か 87 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 47 46.86 ID L16jdEMsO 勘のいい奴だ。その通り、俺は午後六時に教室で目覚めた。気が付いたら教室にいたんだ。そこで俺とジョンが入れ替わったってことなのか。 しかしながら、あっちの長門は世界の命運をジョンに預けたのか。さっきのSOS団の話を聞いた限りでも長門には大分世話になっていたようだな。そう言って長門をちらりと見ると、恥ずかしそうに顔をうつむかせる。よく見ると長門も結構かわいいな。隠れファンとか結構多いんじゃないか?眼鏡を取った顔も見てみたいね。 「そうですね、ジョンさんはあちらの長門さんに絶対の信頼をよせていたようです。微笑ましい限りです」 すみませんといいながらくっくっと笑う古泉。しかしまぁ、お前らの言っていることを全て信じたとして、これからどうしようってんだ。もうこの世界にジョンはいないんだから何も手がかりは無いだろ。ジョンの話をネタにSF本でも書こうってのか? 「何言ってんの、そんなつまらないことするわけないじゃない」 88 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 49 11.07 ID L16jdEMsO 「お前は今全国のSFファンを敵に廻した。だったら何をするんだ?」 「決まってるじゃない!ジョンを追うのよ!」 「何を言っている。確かにそれはそれで面白そうではあるが、もう一度言うがジョンはもうこの世界にいないのだ、手がかりが無いじゃないか。」 「あんたもアホね!始める前から諦めてどーするのよ。やらないで後悔するよりやって後悔したほうがいいって言うでしょ。青春は待ってはくれないわ、当たって砕けろ精神で突進するべきなのよ!」 90 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 52 12.41 ID L16jdEMsO お前の青春に俺を巻き込まんでほしいねといい終わる前にハルヒはすっくと立ち上がり、椅子に片足をのせて石原裕次郎がかっこつけたときのポーズみたいな姿勢をして、 「みんな、いいわね!これからSOS団はジョンの後を追います!ジョンがあのあとどうなったのかは分かりません。時空改変に成功してもとの世界に無事にもどれたのか、あるいは失敗して次元の狭間でバッツ達を待っているのかもしれません。もし後者だったら助けてあげる必要があります。どっちにしろ、ジョンの無事を見届けなければなりません。明日からジョンの後を追うための手がかりを探しに入ります!いいわね!文句があるならジョンを見つけた後に文章で提出しなさい。いちおう見てあげるわ」 長門は座ったまま、朝比奈さんは人数分のお茶をトレーに置いた所で、古泉は微笑したまま、俺は何と反論すればよいかと考えながらハルヒを見ていた。 91 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 53 18.68 ID L16jdEMsO 「いちおう聞くが、SOS団ってのは俺たちのことか?ん?団員構成を教えてくれ」 「何アホなこと言ってんの、あたしたち五人に決まっているでしょ!そうね、団長はもちろんあたし、副団長に古泉くん、副副団長に長門さんと、あーめんどいから有希でいいわよね!、有希とみくるちゃん、キョンあんたはパシリよ!」 パシリて。 「定期集会は毎週土曜、とりあえず明日は北高も光陽園も午前授業だから駅前に集合!午後1時には来なさいよ!それからみんな、ジョンを救出するための策を考えてきなさい!いいわね!」 どうやらジョンは、次元の狭間にとじこめられている設定で決まりらしい。やれやれ。 時計を見ると、午後六時を回っている。大分話し込んでしまったみたいだ。俺は朝比奈さんがせっかく入れてくれたお茶を飲み干した。もったいないもんね。さすが天使のような朝比奈さんが入れてくれたお茶だけあって愛情というスパイスがふんだんに入っているね。ただのお茶のはずなのにただのお茶の三十倍はおいしいですよ。 93 :名前なしなし:2009/05/06(水) 01 55 43.96 ID L16jdEMsO 帰り際、俺は長門に呼び止められた。 「どうした、長門」 長門の漆黒の瞳が俺を見つめる。 「・・・・・・・お礼、言ってなかったから・・・」 「お礼って何のだ?」 「・・・・・・・図書館のカード」 あぁ、気にしなくていいぞ。部室の本棚とかもちらっと見せてもらったが、あれは全部お前が読んだ本なのか?本が好きなんだな。 「・・・そう」 「何やってんのキョン、有希ー。早く行くわよー!」 「行こうぜ長門」 「・・・・・・」 音も無くうなずいた長門と共に、俺は玄関へと向かった。 戻る 次へ
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ある日、いつもの俺は何も考えずに部室に向かった しかし、このことが俺の人生の大転換期を迎えるなんて予想もつかなかった キョン「ウィーすって古泉しかいないのか、俺は部室専用の エンジェル朝比奈さんのお茶を飲みにきたというのに」 古泉「ちょっと、お話があります。いいニュースと悪いニュースが 二つありますどっちから聞きますが」 キョン「とりあえず、良いほうから聞こう」 古泉「良いほうのニュースは、最近、閉鎖空間発生する回数が 極端に減っていることです。もうひとつの良いニュースは 涼宮さんが神のごとき力を発揮する回数が減っていることです。」 キョン「それは良かったじゃないか、でっ悪いニュースの方は」 古泉「朝倉涼子が情報統合思念体により復活した模様です。 明日に再び転入してくるようです。でも、安心してください 長門さんによると統合思念体本体から朝倉さんの行動自体に プロテクトがかかってるのであなたを再び殺したりすることは ないようです。しかし、涼宮ハルヒに直接コミュニケイトすることに により情報爆発を観測することを企んでいるので注意が必要ですが」 キョン「もうひとつの悪いニュースというのは何だ」 古泉「実は、それは非常に言いにくいのですが、私は、最初 あなたは普通の人間だといいましたが、組織の再調査によって 普通の人間でないことが明らかになりました」 キョン「な、何ですとぉ。それは俺が異世界人だと言うことか」 古泉「いや、そういうことではないのですが、あなたはなぜ自分が キョンと呼ばれているのか考えたことはありますか」 キョン(俺は古泉の言ってることが全く理解できなかった。 これは古泉流のジョークなのか?) キョン「キョンというのは俺のあだ名だろ、それ以上の意味はない もしかして、MMR的な引用をして詭弁で俺を騙すつもりじゃないだろうな」 古泉「いや、そういう意味ではないのですが、それではこうしましょう あなたこの場で本名を言って見てはもらえないでしょうか」 キョン「お前は何を言ってるんだ、もしかして俺の本名を覚えてなかったのか お前にはがっかり、したよ俺の名は…。 (俺の脳みそはこの瞬間完全にフリーズして、しまった。whyなぜ 俺は自分の名前も言えなくなってしまったんだ。考えろ考えるんだ) 古泉「やはり、そうでしたか。」 キョン「やはりってなんだよ、ってどういうことだか説明しろ」 そうこうしてるうちに本を持った長門が現れた。 キョン「長門、お前は何か知ってるのか」 長門「七夕にあなたにあった時からあなたの本名は把握していない」 キョン「どういう事だ、長門にも俺の本名が分からない。 (これは人生最大のミステリーだぜ、主人公の本名が存在しない そんなものはSFの世界でも起こりえない出来事だ、本名が出てこない ライトノベルというものは読んだことがあるが、主人公の本名が 存在しないなんてものは見たことがない。ハルヒこんな身近に 素晴らしいミステリーがあったんだぜ、町を探索する必要もなかったんだぜ) 古泉「取りあえず、落ち着いてください。あなたは名前は5月頃までは 確かに存在していました。どうやらあなたが閉鎖空間へ行ったあの日を 境になくなってしまったようです。今となっては確認のしようがないですが」 キョン「ちょっと、まてお前の話には穴があり過ぎる、どうせ、また俺を 俺を騙そうと企んでるんじゃないのか、戸籍謄本にもキョンと書いてあるとか 言うんじゃないだろうな」 古泉「その、まさかです。組織の方で確認を取ったところ間違い ないそうです。今、市役所に確認に行きましょうか?」 キョン「いい、そんな戸籍は見たくない」 古泉「どうやら涼宮さんがあなたと親しくなっているうち 本名を忘れてしまっていたようなのです。そして、あの閉鎖空間 の発生で世界はあなたの名前が正式にキョンで登録されて しまったようです。」 キョン「なんで俺だけ、それに俺の妹は改変されてないはずだぞ。 それにそれは法律で認められてないはずだ。」 古泉「妹さんの名前は●●ですよね。確かに家族の名前は改変 されていませんよ、法律の方は知らないうちに民法が改正されているようです。 それに、いいじゃないですか。キョンだって素敵な名前だと思いますよ。」 キョン「ふざけるな、こっちの身にもなってみろ。」 みくる「ごめんなさい、キョン君」 そこに涙を浮かべながらやってきたのは部室専用のエンジェル朝比奈さんだった。 みくる「私も今上司から、聞かされて今、知りました。 私も最初はキョン君じゃなくて、名前の方で呼んででたんだけど 遂みんなキョンって読んでるから、ついキョン君って呼んでしまって そのうちキョン君の本名にプロテクトがかって、最後にはキョン君は キョン君だってことが規定事項になってたの、私が本名で呼んでいたら ご、ごめんなさいです。」 キョン「いいんです、朝比奈さんは悪くないですよ。悪いのは 俺の本名を消してしまったハルヒの方なんですから。」 古泉「解決する方法はひとつだけあります。」 キョン「あるなら最初から言ってくれ古泉」 古泉「簡単ですよ。涼宮さんに名前を思い出してもらえば いいんですよ。」 キョン「ああそっかって古泉そんなことできるのか、俺の本名は と聞いて易々と思い出してもらえるのかよ。」 古泉「そこが問題なんですよ。涼宮さんがあなたの本名を重視 していなかったので、いっそのこと結婚すれば思い出すんじゃないんですか」 キョン「結婚だとふざけるな古泉なんで俺とハルヒが」 古泉「結婚すれば婚姻届を書かなければならなくなるつまり、あなたの 本名が重視されるry キョン「却下、あいつと結婚するぐらいなら名前がキョンのままの方が ましだ」 古泉「勿論、冗談ですよ。本気にしました。」 涼宮「やっほ~みんな元気、今日は新入部員をつれてきたわよ」 その新入部員というのは朝倉涼子だった。だが正直 今の俺にはどうでも良かった。今の俺は自分の名前のことで メランコリー状態だったからな ハルヒ「どうしたの、みくるちゃんも涙目だし、みんな元気ないわね。もしかしてキョン、みくるちゃんに告白して振られたの」 キョン「そんな訳ないだろ、(俺はいつもの4分の1の勢いで言った)」 古泉「彼と朝比奈さんは小テストで赤点をとったから元気がなかった用ですのでお気になさらないでください、 それよりもそちらの方の紹介をお願いします。彼女とは初対面なもので」 ハルヒ「本当なの、まあ、いいわ、キョンもみくるちゃんも勉強なら私が教えてあげるわよ。 彼女は朝倉涼子、私のクラスの学級委員よ。最近SOS団の活動もマンネリ化してるし、謎の留学をして1年もたたずにこんな時期に再び転校してくるのよ、 これって謎じゃない」 朝倉「あら、勝手にそんな謎扱いしないでよね。それに急な転校じゃないわよ。 ちゃんとキョン君と長門さんには前日に転校するって伝えたじゃない。」 キョン(こんな時にそんな事言うなよ、だいたいこっちはこっちで 大変な事になってるんだぞ、面倒な仕事を増やさないでもらいたい) ハルヒ「ちょっと、ユキに、キョンなんでそんな大事な事、私に 伝えないの、これはどういうこと」 長門「彼女は私と同じマンションで知り合い、ただそれだけ」 朝倉「ユキちゃん、それって酷くない、昔は一緒に夕食を食べたりしたじゃない」 ハルヒ「でも、気になるわ。キョンが私に言わない理由がないじゃない。もしかして、朝倉といえない関係なのね」 朝倉「そんな、事はないわよ。でも、キョン君と涼宮さんのことが 心配で最後に会って関係を確かめたのよ。変な意味じゃないのよ ただ、涼宮さんがクラスで孤立するんじゃないかって心配で、でも 今の涼宮さんなら大丈夫。」 ハルヒ「そんなに私のことが心配なの、別に私はただ人間には興味がなかった だけよ。それよりもあなたを入部させたのはちゃんと理由があるの」 そういうとハルヒは黒板に文字を書き始めた 映画第二段朝倉涼子の陰謀 キョン「なんだ、お前何を企んでるのかと思ったら、また映画制作か」 ハルヒ「そうよ、今度は古泉君を実は宇宙人の腹黒学級委員である涼子ちゃんが 狙いにくるという話でそれをみくるちゃんが守るの、安心してちゃんと ユキちゃんの出番もあるから。それじゃ今日は台本を書き上げなきゃ ならないから先に帰るわ」 キョン「ハルヒ一つ質問がある」 ハルヒ「なによキョン、反論なら映画を作った後にしてよね」 キョン「俺は実はポニーテール萌えなんだ。俺の本名を思い出してほしい」 (俺はこんな時賢しくも閉鎖空間の事を思い出していた。あの時と同じ 状況を作り上げれば俺の本名を思い出だすのではと思った訳だ。 しかし、俺もあほじゃないそんな事でハルヒが思い出すとは本気で思っていなかった。 その理由はハルヒの性格を考えれば簡単に分かることだ。しかし、それ以外 今の俺には解決手段が見当たらなかった。だから俺は少ない可能性に賭けた。 ハルヒの顔が赤くなっているこれは俺は賭けに勝ったということか。 部室専用のエンジェルに願った甲斐があってもんだ。) その次の瞬間ハルヒのとび蹴りが腹にあたり俺は部室の机に頭をぶつけた。 (やはり、この作戦は失敗だったか、今思えば当然の結果だ。 こんなことするなんて谷口以下だぜ。久しぶりに閉鎖空間が 発生するかもな悪い古泉) ハルヒ「何言ってるのキョン、ポニーテール萌えってどういうこと 今日のキョン、なんかおかしいじゃないの、あなたの名前は キョンじゃない。いつも呼んでるでしょ、それで告白のつもり そんな、もので私が落ちると思ったら大間違いなんだからね、私帰る。」 古泉「大分大胆なことしましたね。あなたがあんな事をするなんて予想外でしたよ。」 みくる「キョン君、大丈夫ですか。キョン君は少し乙女心を勉強したほうが いいと思います。」 キョン「そうだよな、俺が先走り過ぎた。悪いな古泉、朝比奈さん」 古泉「いえ、そうでもないですよ。たぶん閉鎖空間は発生しないと思います。 少なからず、ポニーテール萌えだったといわれて少しばかりうれしかったのでは ないですか。二言目に言われたことはちょっと意味不明だったような気がしますが 涼宮さんはあなたに好意を抱いてるようですから。例えば、今日の劇のシナリオ なんであなたがそこにいる朝倉さんに襲われたことをモチーフにしたのか 疑問に思ったでしょう」 キョン「ちょっとまて、なんでお前がそのこと知ってるんだ。それに 朝倉とは初対面だと言ってなかったか」 古泉「ははは、その位のことは機関で情報は入手済みですよ。それに 朝倉さん本人と初対面ですよ。さて、本題ですが、その理由は涼宮さんがあなたに 恋心を抱いてるということは、当然あなたの事を知りたくなる。それで無意識の うちに朝倉さんがあなたを殺しかけたという情報を入手したのです。勿論 無意識ですから、なにか小説のネタだという程度にしか思っていないようですが」 朝倉「でも、さっきのは涼宮さんに対してちょっと酷いんじゃないかな、 急にポニーテール萌えなんて言われたって困っちゃうでしょ。 それに本名って何のこと。あなたの本名は●●●●じゃないの」 キョン「あ、朝倉俺の本名をなんで」 朝倉「なんでって当たり前じゃない、委員長がクラス全員のフルネームを 把握するのは当たり前じゃない。」 キョン「ちょっ、ちょっと待て、どういうことか長門分かるか?」 長門「情報改変があったのはあなたが閉鎖空間に飛ばされた時、朝倉涼子の 情報連結は解除されていた。だから世界変革の影響を受けなかった。 涼宮ハルヒの世界改変が作用できるのは5次元までが限界、異世界の改変までは 可能だが、情報連結を解除されたものまで作用することは不可能」 キョン「って異世界があるのかよ。そして五次元って何だ。」 長門「言語では説明できない」 キョン「古泉知ってるか?」 古泉「いいえ、僕も知りませんでした。」 キョン「でも、これでハルヒに俺の本名を思いださせることができるぞ」 古泉「でも、涼宮さんがあなたの本名を忘れたのには深い理由があるかも しれません。いや、これは一つの可能性なのでなんともいえませんが、もし、 そういうことなのであれば、思い出してもらえないかもしれません。 最悪の場合我々の記憶も完全に改変されてあなたは永久の本名キョンのままかもしれません。」 翌日、転入生の紹介でその場には朝倉が予定通り現れた、その後も話は 小説のようになんのひねりもなく授業が終わり、恐れていた記憶改変も なかった。俺は掃除当番を済ませた後、部室へとむかった。 ハルヒ「遅い、後5分遅れたら。裸で公共放送局NHKが日本引きこもり協会に 買収されたって叫びながら校庭20周させようと思ってたのよ」 ハルヒ「それよりキョン、あれに気づかないの」 そこにはいつものメイド衣装のエンジェル朝比奈さんと、ネコミミを付けた 朝倉さんが、って朝倉さんなにをしてるですか 朝倉「キョン君、どう思うかな」 キョン「…。(殺されかけた相手にそんな言葉をかけるとは予想外だぜ、 でも、上目遣いでそんな事を言われるなんて情熱をもてあます) に、似合ってると思うぞ」 ハルヒ「本当はネコミミはみくるちゃん用に買ってきたんだけど、ネコミミの委員長 って斬新だと思わない?でも昨日ポニーテール萌えだとか言っていた割には ネコミミ萌えだったのね。」 といって長門を指差した、長門はなんとポニーテールになっていたのだ しかも、よく見るとかつらだ、そんな事をするくらいなら自分でポニーテールに すればいいのに ハルヒ「さあ、それじゃあ今から映画の企画についてのミーティングを始めるわよ」 キョン この企画ミーティングの内容はみなさんの想像に任せてもらいたい、 なぜなら前の映画とほとんど変わらないからだ。変わったといえば 朝倉さんが主役になって4角関係になってることぐらいか ハルヒ「さあ、これで今日のミーティングは終わり。じゃあね」 キョン「ちょっとまったこの後俺の教室に来てくれないか」 ハルヒ「ちょっと、キョンまた変なこといい出すんじゃないでしょうね。 キョン「いや、今日はどうしてもきてほしい、昨日はどうかしていた」 ハルヒ「まあ、いいわ団員に付合うのは団長の務めだしね、ただし 今回も変な話だったら分かってるんでしょうね」 キョン「ああ、分かってる」 そして、2人で教室でむかった。大体原因を作ったくせにいつもながら団長さんは 高圧的な態度だな、まあ、いつものことだが ハルヒ「たく、こんな所で何の話」 キョン「俺の本名は●●●●だ。キョンじゃない。キョンは俺のあだ名の はずだ。それ以下でもそれ以上でもない」 ハルヒ「なに言ってるの、あなたはキョンよ、●●●●のはずないじゃない」 そこでなぜか、ハルヒは泣き出してしまった。 whyおれが何かいったのか、いやそんな事はいっていない。 俺は動揺したなぜならハルヒがこんな風に泣き出すのは初めてだからだ キョン「ご、ごめん俺が変な事いったのか」 ハルヒ「ち、違うの、昔わたしをいじめた奴が●●●●ていう 名前だったの、それで最初はキョンのことが嫌だったの、 あなたの名前を忘れようとしたの」 キョン「そうだったのか、悪かったなハルヒ、もう俺の本名は忘れてもいいぞ」 ハルヒ「で、でもあなたには関係ないものね、これからは本名で呼ぶことにするわ キョン「いや、俺はいままでキョンていうあだ名が嫌いだった、でも今は気に入っ てるんだ。だってお前との思い出がつまってからな」 ハルヒ「ふん、べ別にあんたのために呼んでやったんじゃないんだからね、でも キョン」 キスをしようとするハルヒ、いつぞやの閉鎖空間を思い出す 谷口「WAWAWA忘れ物」 ハルヒ「へ」 キョン「谷口、ご、誤解だ」 谷口「ご、ごゆっくり」 翌日部室にて 古泉「どうやら、うまく言ったようですね。昨日は比較的小規模な閉鎖空間が 発生しましたがほとんど問題ありませんでしたよ。あなたの名前はちゃんと元通り なってます、希望があればそちらにお呼びしましょうか」 キョン「結構だ、だいたいお前は俺のことをキョンと呼んだこと自体ないだろう 2人称でばかり呼ばれてるよな気がするぞ」 古泉「わかりました。キョン君」 キョン「やっぱり2人称でいいです」 キョン「そういえば、朝倉。なんでお前は教室であったことを捏造すれば 情報爆発を観測できるかもしれないのにそういうことは言わなかったんだ。 プロテクトがかかっててもそれぐらいは出来るだろ」 朝倉「私の事、そんな風に思ってたの酷い。一応、長門さんから止められてた っていうのもあるけど。実は私、あなたの事すきだったんだよ」 キョン「冗談はやめてくれ」(いきなりのとんでも告白だ、こいつは予想外だぜ。) 朝倉「冗談じゃないよ。あの未来から来たメイドさんも本当はあなたのこと 好きみたいよ。キョン君て鈍感なのね。それにハルヒが好きだって顔に書いて あるわよ。あとなry,なんでもない。」 キョン「なって、なんですか。非常に気になりますよ朝倉さん」 朝倉「本当にあなたって鈍感なのね」 ハルヒ「やっほ~みんな元気。今日はみんなで早速撮影に入るわよ」 キョン さて、これからまたハルヒの映画撮影に入るわけだがそれはまた 別の機会にすることにしよう。って朝倉さんは本当に何を言おうとしたのだろうか fin
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~部室にて~ ガチャ 鶴屋「やぁ!みんな!」 キョン「どうも」 みくる「鶴屋さんどうしたんですかぁ?」 鶴屋「今日はちょっとハルにゃんに話があるっさ!」 ハルヒ「え?あたし」 鶴屋「そっさ!」 ハルヒ「?」 鶴屋「明日、ハルにゃんと長門ちゃん、みくるとあたしで遊び行くよ!」 ハルヒ「でも明日は団活が」 鶴屋「名誉顧問の権限を行使させてもらうよ!」 ハルヒ「えっと……有希はいいの?」 長門「構わない」 ハルヒ「みくるちゃんは?」 みくる「わたしは鶴屋さんから、事前に言われてましたからぁ」 ハルヒ「古泉君とキョンは?」 古泉「つまり男性禁制ということですよね?僕は大丈夫ですよ」 キョン「あぁ、俺も問題ない」 鶴屋「ハルにゃんはどうなのさ?」 ハルヒ「う~ん、そうね。たまにはいいかも」 鶴屋「じゃあ決まりっさ!」 みくる「ふふふ」 長門「……」ペラ 鶴屋「さぁ、こっからは女の子同士の話し合いの時間だよ!男子諸君は出てった、出てった!」シッシッ 古泉「そういうことなら帰りますが、よろしいですか涼宮さん?」 ハルヒ「そうね。今日は鶴屋さんに免じて二人とも帰っていいわよ」 キョン「じゃあそうさせてもらうぞ」 古泉「それでは、みなさん。また来週」 みくる「お気をつけて」 鶴屋「バイバ~イ」フリフリ ガチャ ~廊下にて~ キョン「追い出されたな」 古泉「そうですね」 キョン「こんな時間に放り出されてもやることないな」 古泉「たしかに」 キョン「おまけに明日も暇をだされちまったしな」 古泉「おや?せっかく出来た彼女とお会いになればいいじゃないですか?」 キョン「ごあいにく、今親戚の法事でこっちにいないんだ。つまり明日は予定がない」 古泉「そうでしたか」 キョン「そういうお前はどうすんだ?」 古泉「えぇ。右に同じく、といったところです」 キョン「そうか」 古泉「もしよろしければ、これから食事でもどうです?」 キョン「おいおい、男を食事に誘うとはどういう冗談だ?お前がバイでも、まぁ驚かんが、俺は勘弁してくれ」 古泉「そうですね。仮に僕がバイでも相手くらいは選びますよ」ニコ キョン「……言ってくれるじゃないか」 古泉「どうやら変な誤解をされてるようでしたので」 キョン「やれやれ」 古泉「で、食事の件ですが、少しあなたに話しておかなければならないことがありまして」 キョン「……ハルヒがらみか?」 古泉「それが半分です」 キョン「後の半分は雑談、ってわけでもないんだろ?」 古泉「はい」 キョン「お前には世話になってるしな。構わないぞ」 古泉「それはよかった。食事代のほうは、機関から必要経費とさせてもらうので気にせず」 キョン「なによりだ。このまま行くのか?」 古泉「どちらでもよろしいですよ?」 キョン「じゃあ着替えたいな。制服で歩いて補導でもされたらたまらん」 古泉「ごもっともで。では六時過ぎにでもご自宅に伺わせていただきます」 キョン「わるいな」 古泉「いえいえ。ではまたあとで」 キョン「あぁ」スタスタ 古泉「……」 prrrprrr ピッ 古泉「はい、古泉です」 ???「話の機会は作れた?」 古泉「えぇ。今夜彼に打ち明けますよ。森さん」 森「……そう……大丈夫?」 古泉「彼はあれで熱いお人ですから。簡単にはいかないでしょうね」 森「……もし、辛いなら私や新川が代わるわよ?」 古泉「いえ、大丈夫ですよ。これでも彼とは一年間を一緒に過ごしてきましたし、やはり僕が適任です」 森「……弱音を吐いてもいいのよ?」 古泉「弱音?はて?」 森「……馬鹿」 古泉「んふ。大丈夫ですよ。森さんはもう少し僕を信用してくれてもいいですよ?」 森「……子供のくせに。私はしっかり信頼してるから。……それではまた後で」 古泉「はい。吉報を待っててください」 ピッ 古泉「……さて」 ~キョン宅にて~ 妹「キョンく~ん!こんな時間にどこ行くの~?」 キョン「ちょっと古泉と遊びに行ってくるんだ」 妹「え~?こんな時間に遊びに行ったらキョンくん不良になっちゃうよ?」 キョン「大丈夫さ。俺はいつだって真面目だ」 ピンポーン 妹「あっ、お客さんだ~。は~い」トテトテ ガチャ 古泉「こんばんは」ニコ 妹「古泉くんだ、こんばんはぁ」ペコ 古泉「彼はいますか?」 妹「今連れてくるね♪」 キョン「おう、悪かったな」 古泉「いえ。行きましょうか」 キョン「そうだな。……じゃあ行ってくる」 妹「いってらっしゃ~い!古泉くんに迷惑かけちゃダメだよ~?」 キョン「分かってるよ」 ガチャ 古泉「いつ見ても可愛らしい妹さんですね」 キョン「いくらお前でも手を出したら許さんからな」 古泉「小児愛好の趣味は持ち合わせていませんのでご安心を」 キョン「分かってるよ」 古泉「んふ」 キョン「で、どこ行くんだ?」 古泉「えぇ僕の部屋です」 キョン「お前の?」 古泉「はい、デリケートな話なので」 キョン「わかったよ、それであれが迎えの車か?」 古泉「そうです。どうぞ」 カチャ キョン「なんだか拉致されたみたいだな」 古泉「警察にも機関の力は働いています。身の危険を感じたら連絡してもらっていいです?」ニコ キョン「お前のは冗談に聞こえん」 古泉「そうでしたか。気をつけます」 キョン「……」 古泉「……」 ~古泉の部屋にて~ 古泉「どうぞ」 キョン「おう。……片付いてるな」 古泉「清潔にするようにはしています」 キョン「それにしても」 古泉「はい?」 キョン「機関のおごりだって言うから期待したのに、コンビニとはな」 古泉「まぁ、若い男が二人だけなんだし、これぐらいが健全じゃないですか?」 キョン「そういうことにしとくよ。で、なんだあれは?」 古泉「あれはコンパクトディスク、つまりCDですよ?ご存知ありませんか?」 キョン「違う、なんだあの量は?」 古泉「ざっと四百枚近くはありますよ」 キョン「狂ってるな」 古泉「これに関しては褒め言葉にしか聞こえませんよ」 キョン「売ったりしないのか?」 古泉「売るくらいなら最初から買いません」 キョン「今のオススメは?」 古泉「今のシーンですか?それとも僕のですか?」 キョン「お前のでいいよ。シーンとか言われても分かるわけないだろ」 古泉「そうですね、Joh○ossiとLi○tle Man Tateはかなりヘビロテしてますね。それとGre○n Dayの新譜は素直に感動しました」 キョン「おっ、Green D○yは俺でも知ってるぞ」 古泉「それは良かった、知らないといわれたら、追い出しかねませんでしたから」 キョン「はは。大げさだな」 古泉「んふ。けして大げさでは」 キョン「……」 キョン「そもそも聞けるのかあんなに?」 古泉「いい音楽はどれだけあっても邪魔にはなりませんよ」 キョン「だから聞ききれるのかって?」 古泉「はい」 キョン「信じられん」 古泉「新しい音楽に出会う感覚はたまりませんよ。変な話、ニヤニヤしてしまいますからね」 キョン「趣味は人それぞれだな」 古泉「えぇ」 古泉「では、失礼して音楽を掛けさせてもらいますね」 キョン「何をかけるんだ?」 古泉「Death Cab F○r CutieというUSのインディーロックバンドの5thです」 キョン「知らんな」 古泉「落ち着きたいときにかけるんですよ」 キョン「そうか」 古泉「えぇ」 キョン「まぁ、せっかく古泉のうちに来たんだ。難しい話の前に雑談しようぜ」 古泉「構いませんよ」 キョン「じゃあ、単刀直入に聞くが……」 古泉「はい」 キョン「お前の彼女は誰だ?」 古泉「……これはこれは」 キョン「お前には俺のプライバシーが筒抜けなんだ。それくらい教えてくれても罰は当たらんだろ?」 古泉「さて、どうしたものでしょう。僕としては一向に構わないんですが、向こうがなんと言うか」 キョン「つまり、俺たち共通の知り合いってことだな?」 古泉「あ」 キョン「俺とお前の共通の知り合いか」 古泉「えっと」 キョン「年下は……ないな。ってことはタメか、上だな」 古泉「……」 キョン「となると、長門、朝比奈さん、ハルヒ、鶴屋さん、阪中、黄緑さん……」 古泉「……」ゴク キョン「……待てよ……森さんもいるな……」ジー 古泉「……」ビク キョン「個人的にだ」 古泉「……はい?」 キョン「森さんだったら……お前を許さない」 古泉「……」 キョン「……森さんか?」 古泉「さてどうでしょう?」 キョン「まぁいい。俺のなかでは答えが九十九パーセント決まった」 古泉「……そうですか、合っているといいですね」 キョン「あぁ、外れているといいな」ニヤ 古泉「……」 キョン「それにしてもいい部屋だな。高いんじゃないのか?」 古泉「いわゆるセーフハウスというやつですよ」 キョン「セーフハウス?」 古泉「はい。機関のほうで用意をしてもらった仮住まいです」 キョン「そうゆうのって、ああいうCDみたいな私物は持ち込んでいいものなのか?」 古泉「あれは僕の一部ですので、無理やり説得しました」 キョン「はは」 古泉「このおにぎりはあなたのでしょうか?」 キョン「あぁ、お湯沸かしてくんないか?カップ麺食べるから」 古泉「構いませんよ」 キョン「……」キョロキョロ 古泉「面白いものなんてありませんよ?」 キョン「いや、同じ一人暮らしでも長門の部屋とは違うな、ってな」 古泉「女性の部屋と比べられても……」 キョン「はは。そうだな」 古泉「お湯が沸いたようですよ」 キョン「おう、悪いな」 古泉「……」モグモグ キョン「……なぁ、古泉」 古泉「なんでしょう?」 キョン「AVはどこだ?」 古泉「まさしくお約束ですね」 キョン「古泉とはいえ、思春期の猿だからな」 古泉「あいにく持っていませんよ」 キョン「男同士だ。恥ずかしがるな」 古泉「……正直に言いますと、以前は数点あったんですが、全て処分されました」 キョン「森さんに?」 古泉「は……さぁ?」 キョン「……」ニヤニヤ 古泉「……麺が伸びますよ?」 キョン「忘れてた!」 古泉「それでは本題に入る前に約束を」 キョン「なんだ?」 古泉「なにがあってもCDには手を出さないで下さいね?本当に大事なんで」 キョン「?わかったよ」 古泉「そして今から話すことにウソはありません」 キョン「ああ」 古泉「では本題に」 キョン「……」 古泉「まず、涼宮さんがらみの話です」 キョン「ああ」 古泉「以前の告白騒動を覚えていますか?」 キョン「忘れると思うか?」 古泉「いいえ。あの時、あなたが涼宮さんをふったことによって、我々機関は世界の改変がほぼ百パーセント行われると思いました」 キョン「すまなかったな」 古泉「いえ、過ぎたことです。しかし、ご覧の通り私たちはあの後の世界でこうして過ごしています」 キョン「ああ」 古泉「これは長門さんのおかげです」 キョン「最近仲良いからな、あの二人」 古泉「単刀直入に言うと、鍵はあなたから長門さんへと移った。これが機関の見解です」 キョン「長門に?」 古泉「その証拠に長門さんと親密になってからの彼女は、閉鎖空間をほとんど発生させていない」 キョン「……」 古泉「神人もここしばらく見ていません」 キョン「良かったじゃないか」 古泉「えぇ。しかし機関の上層部は、情報統合思念体に神を奪われたことにご立腹です」 キョン「頭のお堅いことだ」 古泉「はは。そう言わないで下さい。それでつまりです」 キョン「つまり……俺は晴れて自由ということか?」 古泉「そうです」 キョン「……そうでもないだろ」 古泉「と、言いますと?」 キョン「ハルヒの力が無くなったわけじゃないんだろ?」 古泉「はい。無自覚ながらもコントロールしているという状況です」 キョン「……俺が思うにだ」 古泉「?」 キョン「ハルヒの鍵ってのはSOS団じゃないのか?」 古泉「我々がですか?」 キョン「だってそうだろ?あいつの深いところまで知っていて、いつも行動をともにして、一緒に遊んで」 古泉「……」 キョン「俺なら一人でもそんなメンバーが欠けるのは辛い」 古泉「同感です」 キョン「つまりだ、俺でも、長門でも、朝比奈さんでも、鶴屋さんでも、お前でも、誰かが傷つけばあいつは辛いんじゃないのか?」 古泉「そうですね」 キョン「だから誰が鍵とか関係ないんだよ、きっと」 古泉「そうかもしれませんね」 キョン「そういうわけだ。俺はSOS団を辞めるつもりはないぞ」 古泉「分かりました」 キョン「それでもう半分はなんだ?」 古泉「……はい。こちらのことは機関からの指令でして、僕としては半信半疑です」 キョン「なんだ?」 古泉「涼宮さんと同じ力を持った人がもう一人いたら……どうしますか?」 キョン「ぶっちゃけ、たまらんな。……とはいえ、お前がそういうんだ、いるんだろ?」 古泉「はい。力としては涼宮さんよりは弱いですが、紛れも無く、世界を改変することの出来る能力です」 キョン「まったく、神様ってのは随分と身近にいるんだな。空から見下ろしてるもんじゃないのか?」 古泉「まぁ、事実は小説より奇なり、ともいいますからね」 キョン「そうだな。……で、誰なんだ?」 古泉「……」 キョン「ここにきてもったいぶることも無いだろ?もう大抵のことじゃ驚かない自信はあるぞ」 古泉「……あなたの彼女……佐々木さんと言いましたね?」 キョン「あぁ……おい」 古泉「機関は以前から彼女もマークしていました」 キョン「ちょっと待てよ、古泉」 古泉「しかし、機関ではより強い力を持つ涼宮ハルヒを神としています」 キョン「……」 古泉「今回、一般人であるあなたから、情報統合思念体である長門さんへと鍵が移りました」 キョン「……」 古泉「以前までの三つ巴の形が崩れた今、機関としては涼宮さんに代わる、第二の神を立てようとしてます」 キョン「それが佐々木だっていうのか?」 古泉「はい。しかし、新たな神候補には我々の機関と対立する存在がすでについています」 キョン「……」 古泉「確認したところ、すでに未来人、超能力者、情報統合思念体が彼女の周りに揃っています」 キョン「頭が痛くなってきた」 古泉「そして、更に厄介なことに、第二の神候補である彼女は、自身にある能力を知っています」 キョン「佐々木が?」 古泉「はい」 キョン「じゃああいつは自分の力を使ってるのか?」 古泉「いえ、現時点ではそのようなことは」 キョン「現時点では?」 古泉「はい。しかし、もし彼女の力が完璧なものになれば、文字どおり無敵です」 キョン「なぜ、なんでこのことを俺に教える?俺があいつの彼氏だからか?」 古泉「機関としてはこの一年間で、あなたとの関係性はある程度確保していると思っています」 キョン「つまり?」 古泉「あなたには機関と彼女……佐々木さんを繋ぐ橋渡しをして欲しいということです」 キョン「スマン。本当はこんなこと言いたくないんだ。でもな、お前マジで殴るぞ」ガシ 古泉「苦しいですよ、放してください」 キョン「お前はそんなくだらないことをいうために、俺をここに連れてきたのか?」 古泉「あなたにとってはくだらないことでも、機関にとっては死活問題です」 キョン「そんなクソみたいなことをいうしか能の無い連中なら、いっそ無くなったほうがいいんじゃないか?」 古泉「それがあなたの答えですか?」 キョン「あぁ、正直恩を仇で返すようで悪いがな。佐々木を差し出せ?ふざけるな!」 古泉「お察しします」 キョン「今はお前のそのすかした態度にさえ嫌悪感を覚えるよ」 古泉「……少し冷静になって聞いてください」 キョン「冷静に!?お前この状況で冷静になれってのか!」 古泉「はい。僕は最初にこれは機関からの指令で、半信半疑だと言ったはずです」 キョン「くっ……そうだったな……悪かった」 古泉「いえ、あなたの怒りは間違っていませんから」 キョン「じゃあ、お前の言葉で喋ってくれよ?」 古泉「はい。今回のことについて、勝手ながら朝比奈さんに話させてもらいました」 キョン「朝比奈さん?」 古泉「彼女は遠い未来から来た人間です。たいていは禁則事項と言葉を濁されましたがね」 キョン「で?」 古泉「はい。しっかりと明言はしなかったものの、彼女のいた未来は、あなたと涼宮さんが添い遂げた後の世界とみていいでしょう」 キョン「俺とハルヒが……」 古泉「つまり、あなたが涼宮さんと付き合わなかったことで、一つのパラレルワールドが発生した」 キョン「俺が作ったてのか?」 古泉「この世には数多のパラレルワールドが存在してます」 キョン「そのうちの一つがこの世界か」 古泉「はい。しかし、朝比奈さんは今の時代に居続けている。これは彼女の未来が消滅ではなく、独立したからだと思います」 キョン「なら、朝比奈さんはこの時代に残る必要がないだろ?」 古泉「そうですね。そちらのほうはどういった経緯があるか分かりません」 キョン「そうだな。それは朝比奈さんに聞くべきか」 古泉「そうしてください。そして、多々あるであろうこのパラレルワールドの中のこの世界では、二人の神と二人の鍵が存在しています」 キョン「二人の鍵?」 古泉「あなたは新たに、佐々木さんの鍵になったということです」 キョン「待て、あいつは能力のことを知ってるんだろ?」 古泉「そのはずです。しかし、もし、あなたが強く何かを望めば彼女はそれを叶えてあげたい、そう考えると思いませんか?」 キョン「……そうだな。俺でもそうだ」 古泉「そういう意味でもあなたは鍵です」 キョン「やれやれ」 古泉「そして、これは怒らないで聞いて欲しいんですが……」 キョン「努力はするよ」 古泉「これは僕としては非常に重要な確認事項です」 キョン「なんだ?」 古泉「……あなたは本当に、本当に佐々木さんのことが好きなんですか?」 キョン「……俺の頭の中を佐々木がいじったとでも言いたいのか?」 古泉「どういうわけかあなた自身は、涼宮さんの力の影響をあまり受けませんでした。耐性があるのか分かりませんが」 キョン「それで?」 古泉「しかし、人には相性があります。同じ病気でもかかる人かからない人がいるように」 キョン「病気に例えるな」 古泉「失言でした。……もちろんあなたの記憶を検証する術はありません」 キョン「そうだな。お前が言うには今の世界は三年、いや、四年前に始まった世界なんだからな」 古泉「それも定かではありませんがね」 キョン「俺は佐々木が好きだ。仮にこれが佐々木に作られた気持ちでも、好きなものは好きだ」 古泉「ありがとうございます。しかし自分から聞いておいてなんですが、人の告白というのは恥ずかしいですね」 キョン「言うな」 古泉「んふ」 キョン「それでお前はどうするつもりなんだ?」 古泉「わかりません。涼宮さんの観察が主な仕事ですので、しばらくはそちらになるかと思いますが」 キョン「……機関は佐々木をどうするつもりだ?」 古泉「それこそ分かりません」 キョン「俺がこの申し出をつっぱねることで、お前はどうなる?」 古泉「大丈夫じゃないでしょうか?僕の直属の上司は森さんですし、あの人はかなりの権限をお持ちですから」 キョン「そうか、じゃあ森さんに謝っといてくれ。俺は絶対に協力しないって」 古泉「……伝えます」 キョン「佐々木は、あいつはハルヒの力のことを知ってるのか?」 古泉「分かりかねますね。しかし、あちらにも我々と同様の存在がいますので、知っていると思った方がいいかもしれませんね」 キョン「そうか。まったく、俺はどこで道を誤ったんだろうな?」 古泉「そういう星のもとに生まれたと思って、諦めるしかないですよ」 キョン「まったくだな」 古泉「これから佐々木さんとはどうするんですか?」 キョン「あいつは俺と付き合うことになった時……泣いてくれたんだ」 古泉「……」 キョン「もし、俺の記憶や感情がいじられていたとしてもだ、俺はあいつを裏切ることはないよ」 古泉「ずいぶんと男前なことを言いますね」 キョン「茶化すな」 古泉「すいません」 キョン「そうだな、そのうちあいつには聞くよ」 古泉「その時はご一報を、改変前の対策は必要ですから」 キョン「悪いな」 古泉「それがこの世界での僕の役割ですから」 キョン「かっこつけやがって」 古泉「ふふ」 キョン「それと、胸倉掴んで悪かったな」 古泉「いえ、殴られる覚悟だったのであれで済んで助かりました」 キョン「……なんで古泉だったんだ?」 古泉「……志願しました」 キョン「自分なら俺を説得出来ると?」 古泉「まさか。あなたの性格や反応は理解してます。だからこそ僕があなたに言うべきかと」 キョン「俺のために進んで汚れ役を?」 古泉「そういうわけでもありませんが……仮に僕以外の人間に言われて、はいそうですか、とあなたはなれますか?」 キョン「なれんだろうな」 古泉「ですから僕が適任かと」 キョン「まいったな」 古泉「僕からあなたに伝えるべきことは以上です。何か質問はありますか?」 キョン「この後の機関はどうでる?」 古泉「長門さんとあなたが平和を望んでくれれば、傍観です」 キョン「トラブルが起きたら?」 古泉「そうですね。僕が上役なら、力の暴走の心配が少ない佐々木さんを捕らえて、どんな手を使ってでもこちらに引き込みます」 キョン「引き込む……」 古泉「彼女達の力はとんでもないものです。しかし、制御が利くぶん佐々木さんのほうが実用性があります」 キョン「実用性ってなんだ?」 古泉「涼宮さんの暴走への唯一の抗体、と言えばいいでしょうか?」 キョン「どんな手でもって言ったな?」 古泉「洗脳、薬漬け、人質等、機関全ての人間が良心を持っているわけではありませんから」 キョン「クソッ!」 古泉「無論、そういったものが通用するかは分かりませんがね」 キョン「……」 古泉「……以前の僕の言葉を覚えてますか?」 キョン「……なんだ?」 古泉「……僕は機関の人間ですが、一度なら機関を裏切ってもいい、という内容の会話ですよ」 キョン「あったな、そんなこと」 古泉「もし、佐々木さんや涼宮さんに先ほどのような危害が加わるようでしたら、一度と言わず何度でも」 キョン「かっこつけすぎだ」 古泉「んふ」 キョン「話はこれで終わりか?」 古泉「はい。これが今の僕らを取り巻く現状です」 キョン「……はぁ。ただの高校生のつもりだったんだけどな」 古泉「ただの高校生でも世界を背負うことがあるとは、僕も想像してませんでした」 キョン「安っぽい世界な事で」 古泉「まったくですね」 キョン「ほんと、嫌になるよ」 古泉「諦めることで見えてくるものもありますよ」 キョン「そんなのはゴメンだな」 古泉「でしょうね」 キョン「さて、会話を高校生らしい内容に戻すか」 古泉「平気なんですか?」 キョン「俺が悩んだら解決するのか?するんだったらいくらでも考えるさ」 古泉「……」 キョン「俺が暴走するなんて有り得ないと思ってる。長門は、まあ前科持ちだが、もう大丈夫だろ。なによりハルヒも信頼してる、もちろん俺もだ」 古泉「希望論ですね」 キョン「それのなにが悪い」 古泉「悪いとは言っていませんよ。ただあなたは当事者の一人なんです」 キョン「じゃあ俺になにが出来る?」 古泉「今の状況を維持することです」 キョン「だろ?だったら俺とお前の関係も維持しなくちゃな。同じ部活の友人としてのな」 古泉「そういったことでは……」 キョン「それに!」 古泉「……なんです?」 キョン「どうしてもお前に聞かなくちゃいけないことがあるんだ」 古泉「僕にですか?」 キョン「あぁ。……古泉、お前はもう……」 古泉「……」 キョン「ヤったのか?」 古泉「……は?」 キョン「ヤったのか?」 古泉「な、なにをですか?」 キョン「とぼけるな。野郎が二人いてこの質問だ、意味は分かるだろ?」 古泉「話の主旨が変わりすぎてますよ」 キョン「……さっき、AVは処分されたと言ったな。何でだ?」 古泉「それは……仕事には関係なかったので」 キョン「男なら、小言の一つはあっても処分するような真似はしないだろうな。しかし、女なら」 古泉「……」 キョン「そういった嗜好品にすら嫉妬をする……らしい」 古泉「だからなんなんですか?」 キョン「お前に彼女がいることは知っている。おまけにお前が勝手に処理するのを許せんらしい」 古泉「聞いてどうするんです?」 キョン「今後のために教えてもらう」 古泉「呆れましたね」 キョン「仕方ないだろ。俺は経験がないんだ」 古泉「今日は真面目な話をするつもりだったんですけどね」 キョン「俺は至極真面目だ」 古泉「だから呆れてるんですよ」 キョン「で、どうなんだ?ヤったのか?」 古泉「……ええ」 キョン「……」バシ! 古泉「いた!な、なにをするんですか!」 キョン「俺の予想通りの相手だと思うと、お前が憎くてな」 古泉「自分で聞いてきたんじゃないですか!?」 キョン「そうだったな。で、どうだった?」 古泉「まったく……そうですね、正直なところあれは重労働です」 キョン「そうなのか?」 古泉「慣れるとそうでもありませんが、最初はかなり体力を使いましたね」 キョン「そういうもんか」 古泉「とにかく、がっついてはダメですよ?彼女なんだから大切にしてあげないと」 キョン「分かってるよ。それでやっぱりリードはした方がいいのか?」 古泉「僕の場合はリードされっぱなしでしたよ」 キョン「……相手は大人の女性ってことだな?」 古泉「……」 キョン「まぁいい」バシ! 古泉「だから叩かないで下さいよ」 古泉「なんであなたは森さんに固執するんです?佐々木さんに失礼では?」 キョン「おや?大人の女性とは言ったが、森さんと言った記憶はないぞ?」ニヤ 古泉「!!!」 キョン「とりあえず答えてやろう。自慢をするわけじゃないが佐々木は俺にはできた彼女だと思う」 古泉「そうですね」 キョン「おい」 古泉「んふ。続けてください」 キョン「ったく。しかしだ、俺の予想の相手がお前の彼女ならうらやましい」 古泉「何故です?」 キョン「いいじゃないか!年上だぞ?憧れるだろ!?それ以外に理由があるか?おまけにリードしてもらっただと!」 古泉「す、少し落ち着いてくださいよ」 キョン「またむかついてきた!」バシ! 古泉「いい加減にしないと怒りますよ」 キョン「もう二時半か、そろそろ帰るわ」 古泉「分かりました。少し待っていただければ迎えが来ますので」 キョン「すまない。この時間じゃ、警察に捕まっちまう」 古泉「では、連絡してきます」 キョン「ついでだ、なんか元気がでるCD貸してくれ」 古泉「では、Ka○ser Chiefsの3rd、Los Cam○esinos!の1stと、Johney F○reignerでいかがでしょうか?」 キョン「よく分からんが、ありがたく借りとくよ」 古泉「全てUKです。どれもオススメですよ」 キョン「ちゃんと聞くよ」 キョン「それじゃな」 古泉「はい、お疲れ様でした」 キョン「あぁ~、そのな、ちょっと照れくさいんだが」 古泉「?」 キョン「ありがとな、古泉。さっきの猥談はともかく、お前には色々助けてもらってる」 古泉「いえ、そんなことありませんよ」 キョン「これからも頼りにしてるぞ」 古泉「……はい」 キョン「じゃあな」 ガチャ 古泉「……」 pr ガチャ 森「もしもし」 古泉「こんばんは、出るのがお早いですね」 森「……たまたまよ」 古泉「そうですか」 森「で、どうだった?」 古泉「全て話しましたよ。機関の考えも、僕の考えも」 森「彼はなんて?」 古泉「怒ってました。でも最後には……僕のことを頼りにしてると」 森「そう」 古泉「少し泣きそうになってしまいましたよ」 森「いい交友関係に恵まれたわね」 古泉「ええ、本当に」 森「今日はもう休むといいわ。疲れたでしょ?」 古泉「そうですね。そうします。あっ、それと森さん」 森「なに?」 古泉「ばれました」 森「だからなにが?」 古泉「彼が意外に鋭くって、誘導尋問ではめられました」 森「……もしかして」 古泉「すいません」 森「も、もう切るわよ!」 ピッ 古泉「ふふふ、おやすみなさい」 古泉「……」 古泉「……」 古泉(頼りにしてるか……参ったな) ~Fin~
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キョン _. -―――- . _ . ィ´ . . . . . . . . . . . . . . . . . . .> 、´ . . . .` ' . . . . . . . . . . ./ . . . . . . . . . . . . . . . . . . ヽ . . . ./ . . . . . . . . . . . / .;. . . . . . . . . . . . . . . . . . . ハ . . / .__i . . . . . . . ./ ./ 〉 . . . . . . . . . . . . . . . . . . ∧ . ハ . -= .| . . . . . . /、/ / . ./| . . . / . . . / . . . . . . . | .l .{ . . . . | . . . . ./イ \ . / .| . ./| . . ./! . . . . . . . . .| .V . . r-┤ . . . ハニ=;≧、 } ./ .| . ./.| . i . . . . . . | . .V . l | . . . | ム' z 厂 }' .} ./__L斗' . . . ハ| . . Vハ | . . . . | ゙゚'气′ j/ム示 / . . . . .{ .| . . .ヾハ | . . . . |''u'' '' ( V^リ . . . . .j .| . . . . ヽ `} . . . . | , -z 、 ′¨ /〉 . . { . .ハ| . . . . /ヽハ . . . .| 〈 `〉 /!' . . . .| . ′ . . ./ ./ .}イ . .| \ ー ' _ イ | . . . . |/ . .厂 ̄`ヾl . | >- ´ .| . . . /ノ V .|、 〈\ | . ./-――ー--V| . ヽi \_ -、 | . ′ ; -=  ̄ア ¨ア゚¨¨¨ _´ ノ_ |/ / / ¨ < ヽ / / zz_..._ ¨¨ ヽ / / `¨ 二 ー ' / { ー ...__ ¨ ー.、 { l  ̄ ー¨'==-く ヽ ヽ ー ..___;__,ハ \ `ー- __;__i イ } ヽ ─────────────────────────────────────── 【名前】 【職業】 【ランク】 キョン SOS団所属の美食屋 レベル 22 こうげき B HP 1050 ぼうぎょ C 総カロリー 1050 すばやさ C 装備 武器 防具 アクセサリ 【技】 居合い・夜叉 高速抜刀で敵を斬る 消費カロリー50 単体 居合い・雅 美しい剣の舞 威力小 使用する度に剣での攻撃力が上がる 消費カロリー100 単体 崩し斬り 敵の防御を壊しながら斬る 威力小 消費カロリー80 単体 乱射・2丁拳銃 乱れうちです 威力小 全体にランダムで6回攻撃をする 消費カロリー100 全体 ミニガン乱れ撃ち 敵に向かって乱射するぜ 消費カロリー50 全体 調理Ⅱ 料理の旨い素人レベル 消費カロリー0 探索Ⅲ 周辺の食材を探す 消費カロリー0 【技】 居合い・阿修羅 修羅のように見えます 威力大 倒された仲間の数だけ攻撃力が上がる 一人につき2倍 消費カロリー500 単体 【スキル】 名称 発動 概要 『杉田流剣術』 常時 杉田流を扱える 『食材知識Ⅱ』 任意 捕獲レベル20までの知識がある 『器用貧乏』 常時 広く能力を覚えられる高レベルまで能力が上がりづらい 『つっこみ職人』 常時 思わずつっこんでしまう天性のつっこみスト 『白夜叉の血』 自動 銀の夜叉の血族の力 仲間が倒れた際、全能力が1段階上がる 『ガン=カタ』 任意 それは男のロマン 射撃と剣撃を同時に行う 消費カロリーが50増える 『キョン二分の一』 任意 一つのステータスを半分に下げ一つのステータスを上げる 1ターンのみ 一戦闘中一回 【備考】 元:男。ハルヒの陰謀でイワンコフ牛を食べさせられて女になった 現在半年も女のままで過ごしていたが、身の危険を感じて元に戻ろうと決意する 銀髪天然パーマの兄貴がいる 味覚が変化し昔はケーキ一つで満足だったのがいまでは2,3個は軽い。…まさかホールケーキ? 女にも男にも普通に性欲が沸いてきはじめてやばい (呪泉郷の男溺泉の効果は)絶対にイワンコフ牛なんかに負けたりしない!!キッ イワンコフ牛には勝てなかったよ…。 そしてハルヒのさらなる陰謀でフタ●リと化してしまった… チョロい
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「「……また、ダメだった……」」 それは、2人の神様が溜め息と共に漏らした言葉が原因となって起きた。 「「――もう少しキョンが素直だったらなあ」」 『素直キョン』 朝、目が覚める。その途端機嫌が悪くなるのが自分でもわかった。 原因はあいつ。あの鈍感馬鹿。ムカつくくらい人の気持ちに気付かない。もはや尊敬してもいいくらいだわ。 昨日せっかくあたしがポニーテールにしてあげたのにこっちを見たと思ったらすぐに違う方見て何にも言わないし。 何よ何よ何よ!ちょっとは褒めてくれたっていいでしょ。例えばこんな感じに。 ホワホワホワン 「――ハルヒ、その髪型可愛いぞ」 「あ、ありがと。…………これ、やってあげるのキョンだけなんだからね……」 「ハルヒ…………お前、可愛いすぎる!もう我慢できねえ!」 「あ、キョン駄目だよ………でもキスくらいなら…………ん――」 ホワホワホワホワホワン …………あ、鼻血が………。ティッシュティッシュ。 ……まったく、あたしったら何てこと考えてんのかしら。キョンがこんなに素直に答えてくれるわけないのに。泣けてくるわね。 はあ、早く学校行こ。 学校に着いて教室に入ったけどまだ誰一人としてクラスの人は来ていなかった。 自分の席に座りさっきの妄想を思い出す。もちろんいつ鼻血がでてもいいようにティッシュは始めから用意しておく。 一通り妄想をし終わったところで思った。 …………今日もポニーテールにしてみようかな………よし、やろう。妄想までとはいかないけど少しは優しい言葉かけてくれるといいなあ。 そしてあたしがポニーテールに髪をまとめあげ終わったとき、痛いほどの視線を感じた。 振り向くとそこにはカバンを落としたままボーっと突っ立っているキョンがいた。なんか口を開けたり閉じたりしてる。それにしてもキョンの唇………………ああ、ティッシュティッシュ。 ティッシュで鼻を拭いながらあたしはキョンに訊ねた。 「キョン、いつまでボーっとしてるの?」 「あ、ああすまん。ちょっとな」 「ちょっと?」 「………ハルヒの髪型があまりにも可愛いすぎて、見とれちまってたんだ」 「ほえっ?」 キョンの予想GUYの発言にあたしは思わず素っ頓狂な声を出してしまった。 え、何?キョンがあたしを褒めてくれたの?確かに可愛いって言ってくれたわよね。いやー、恥ずかしい。今あたし絶対顔真っ赤だろうなあ。 あ、とにかくお礼言わないと。 「あ、ありがと」 これだけ言えば充分だったのに、あたしは調子に乗って妄想の中のセリフまで喋ってしまっていた。 「………これ、やってあげるのキョンだけなんだからね………」 しまった! 喋り終わったあたしはすぐにそう思った。現実のキョンにこんなことを言ったって勘違いされるような発言するな、って言われちゃうだけなのに。 「ハルヒ………お前照れるようなこと………いや、うん、ありがとうな。そう言ってもらえて嬉しいよ」 ………え、これ本当にキョンなの?さすがに妄想までのセリフは言わなかったけどあのキョンが顔を真っ赤にして照れながら話してる。ひょっとして今日のキョンなら………… 「ね、ねえキョン。今度の休みどこかに遊びに行かない?」 「……それは、デートの誘いってことでいいんだよな?」 「う、うん」 「じゃあ行くか。楽しみにしてるぜ」 よっしゃああぁ!!遂に、遂にキョンと。鼻血が止まらない。 しかも聞いた?キョンの方からデートだなんて言ってきてくれた。これは、今回こそはいける。 ふっふっふっ、笑いが止まらないわ。 ふっふっふっふっふっふっふっふっふっふっ…………………。 「はぁ」 帰宅途中の電車内、僕はまた一つ大きな溜め息を吐いた。最近ではこんなことはよくあることだ。 溜め息の原因たる人物は言わずもがな鈍感王キョン。彼は正に王の名を名乗るに相応しい人物だ。 だって、だってだよ―――― ~佐々木さん回想モード~ 「やあキョン。また会ったね。前回再開するまでのスパンを考えるとこれは素晴らしいような偶然の事象とは思わないかい?いや、こういうものを運命と呼ぶのかもしれないね。くっくっ、運命。僕とキョンの出会いは運命」 「佐々木!?悪い、今急いでんだ。またな」 「くっくっくっくっくっくっくっ………くっ、ぐすっ………キョンのバカ」 ~回想終了~ はぁ……おや、また溜め息が出てしまったね。 くっくっ、恋愛は精神病とはよく言ったものだ。キョンのことを考えるだけで胸が締め付けられる想いになるよ。 プシューッ そんなことを考えている間に電車は目的の駅に着いたようだ。いつものように改札を通り駅の外に出てみると、辺り一面はすっかり黒く塗りつぶされていた。 こんな景色を見ていると、否が応でも寂しさを感じざるを得ない。中学校の頃はいつもキョンと2人で帰っていたからこんな気持ちにはならなかったのに………。 「寂しいよ、キョン……」 「俺がどうかしたか?」 「きゃっ!!ど、どうして!?どうしてキョンがここに!?」 これは奇跡?いや、それでもおかしい、キョンの家は駅方面ではないはずなのに。 何故?WHY? もしかして僕を迎えに来てくれたのか?いや、そんなことあるわけない。でも、もしかしたら…… 「どうしてって、ただのお使いだよ」 ………そうだよね。そうに決まってる。僕なんかのためにわざわざキョンが迎えに来てくれるはずないじゃないか。 くっくっ、くだらないことを考えてしまったものだ。涙が出てくるよ。そうだ、早く帰らないとね。今日はマネーの虎がある日なんだ。無類のとんじき好き、とんじき栄作の回は最高だった。 僕は震える手でカバンからラジオを取り出してイヤホンを耳に装着した。 『――さあ、リクエスト曲の一発目はこちら』 うえをむーいて あーるこおおお なみだがこぼれーないよおおに ………くっくっ、なんと都合がいい曲を流してくれるんだろう。正に今の僕と同じ状況。思わず歌いたくなるじゃないか。 うえをむーいて あーるk―― 「……おい!おい、佐々木!!」 何かな?それよりいきなり人の腕を掴むなんて礼儀がないね。それにキョン、僕は今歌っているんだよ。邪魔はしないでくれたまえ。 「震えた声で何言ってやがる。ってお前、泣いてんじゃねえか…………」 このデリカシーの欠片もない言葉により、僕は今まで溜まっていたものを全て吐き出してしまった。 「うるさい、うるさいうるさい!全部君のせいだ!!この間だって、たまに会っても全然構ってくれなかったじゃないか!僕が今までどんな思いをしてきたかわからないくせに!!」 「え、佐々木?」 「離してくれ!もう君の顔なんか見たくもない!!」 はあはあ、と肩で息をしていると次第に冷静になってきた。そして思う。 …………僕は何てことを言ってしまったんだろうか。 前半だけならまだ良かった。多少なり確信めいたことを言ってしまったがTVチャンピオン鈍感王選手権が行われたらまず間違いなく優勝を飾れるような男だ、理解出来るわけがない。 でも後半は………キョンの顔を見たくないなんて嘘に決まってるじゃないか。でも、もう手遅れだよね………ぐすっ………また泣きそうだ。………早く、立ち去らなきゃ。 そのときようやく気付いた。キョンがまだ僕の腕を掴んだまま離していない。そして次の瞬間、僕はキョンの胸の中にいた。 ブホアッ、ヤバい。涙じゃなくて鼻血が出そうだ。 が、次に放たれたキョンの言葉により僕の鼻血は止まってしまった。むしろ逆流したかもしれない。 「すまん。お前がそんなに俺のことを想ってくれてるなんて思わなかった。…………好き、ってことなんだよな……」 なぜ前半を理解してやがるんだ鈍感やろおおおおっ!!!!!!! うぼあっ、今のままでは口から吐血してしまう。というかしてしまった。 どうしよう、どうしよう、どうし―――― ……………くっくっ、閃いてしまったよ。何故かは知らないが折角キョンが僕の気持ちに気付いてくれたんだ。このまま一気に陥落させてあげよう。 「そうだよ、僕……いや私はキョンのことが好き………」 くっくっくっくっくっくっくっくっ。 決まった。これは間違いなく決まった。ここで僕は完全なる勝利のために2つも秘策を使ったんだからね。 まず1つ、実はね最初から素直に私と言うことは出来たのだよ。しかし敢えて言い直すことによって相乗効果により威力は別次元にまで高まる。この段階でキョンの理性は風前の灯火といったところだろうね。 そこに追い討ちをかけるために使った2つ目。君達は分からないだろうが僕はさっきから上目遣いでキョンを見ている。 決して自惚れではないが僕だって自分の顔のレベルがどのくらいかなんて重々理解しているさ。だから客観的に見て僕の上目遣いに堕ちない男はほとんどいない確信している。 くっくっくっくっくっくっ、パーフェクト。さあ、あとはキョンのイエスという言葉を聞くだけだ。カモンキョン、キョンカモン。 「………佐々木、ありがとう。素直に嬉しい。俺もお前のこと好きだよ」 いよっしゃあああああ!!!!!!! ここまで長かった、本当に長かった。キャラも多少破城した。でも、でもようやく報われt―――― 「……でもな」 ………………は? 「ハルヒも同じくらい好きなんだ」 んなこと知るかあああああああ!!!!!!! ボケッ、じゃあどうしろってんだよこの野郎が。 「もう少したったら必ず答えを出すから。それまで待っていてほしい」 「……………仕方ないな。いい返事を期待しているよ」 少し予定外だったがなに、問題はないさ。 涼宮さんが気付いていないうちに決定打を打たせてもらうよ。そうだね、次の休日にでも決めてしまおうかな。 くっくっ、次の休日が楽しみだ。キャラもきちんと修正させてもらうよ。 くっくっくっくっくっくっくっくっくっくっ…………………。 ~素直改変前日~ ……………… ……… … 「――は!?俺が素直になるだと?」 「そう」 夜も遅くに携帯の着信音で起こされた俺はイライラ半分イヤイヤ半分、つまり嫌悪感丸出しでディスプレイを確認した。 ディスプレイに表示される非通知の文字。ここで急速に頭が回転する。非通知の電話、それすなわち長門。 長門からの電話と理解した瞬間、何か起きたのだろうと思い急いで電話に出た………の、だが、長門から俺に告げられた言葉は俺の予想の斜め上をコンコルドの如きスピードで駆け抜けていくものであった。 「……すまんがもう一度説明してくれんか、長門」 「わかった。ここからはルー語で説明する」 「いや、普通に…………」 「イエス。ユーはトゥナイトの0時をもってキャリックターがチェーンジする」 ちょーわかりにきいいいいいいいいぃ!!!!!!!!!! 「アズアリザールト、ユーはナチュラルにマウスから言葉を出してしまう。ジェネラリースピーキングでスッネーオになるということ」 今スッネーオって言っただろ、お前。どこの骨川だよそれ。素直というよりむしろ卑屈じゃねえかあいつ。 「アーンド、ユーはその間今の意識がナッスィングの状態に陥る。言葉で表すなら二重人格のようなもの」 「…………最後ルー語じゃなかったぞ」 「気のせい。作者の英単語の知識が乏しいということはまったくない。ルー語が面倒くさいから止めただけ」 「俺としても助かるから是非そうしてくれ。………まあそれよりも、だ。俺が素直になるってどういうことだ。俺はいつも素直だから改変しようがないだろ」 「………本気?」 「ああ、本気も本気だ」 「……………また図書館に」 「え?」 「また図書館に」 「ん、ああ、そうだな。今度行ってみるか―――――SOS団みんなで」 「死ね」 ブツッ …………………何なんだ一体。だってそうだろ俺なんかと2人きりで行っても長門はつまらんだろうし。 ってもう0時になるじゃねえか!えっと長門の話によると俺の意識はなくなるんだよn………………やべ…………………………頭が……重い…………よく解らんが…もう一人の俺、頼むぞ………。 『急造タイトル~やって来た休日、それぞれの結末~の巻』 ―――ふっふっふっ、遂にこの日がやってきたわ。 キョンと三日前に約束した後、あたしはまともにキョンのことを見ることが出来なかった。 だって恥ずかしかったんだもん、しょうがないでしょ。キョンが…あたしのことを可愛いなんて…………………………ブッホァッ…………ボタボタ……………ティ、ティッシュティッシュ。 フキフキ ふう、まだ時間もあるしお風呂にでも入ろうかしら。髪に鼻血付いちゃったしね、それに…………………ち、違うんだから!べ、別に深い意味はないのよ! カポーン ……結局お風呂に入っちゃった。あ、話を戻さなきゃね。 あたしは全然キョンの方を見れないんだけど、キョンのやつはあたしの方ばっかり見て楽しみだなー楽しみだなーって言ってくるの。おかげでクラスの連中には生暖かい視線で見られて……………まあ、良いんだけどね。 だって今日からあたしとキョンは恋人同士になる予定だし。出来たらキスまで、そうキョンの唇がこうあたしに向かって…………………ボハァッ…ダラダラ………ブクブクブクブク………………………………… ハルママ「いやーーっ、ハルヒーーーーッ」 目が覚めると額には冷えピタが貼ってあった。 …………あれ、あたし何やってんだろう? 確か鼻血が出たからお風呂に入って、キョンのこと考えてたらまた鼻血が出ちゃって…………………そっか、あたしのぼせちゃったんだな…………………………って今何時なの!? ああっ、もうこんな時間じゃない!キョンに遅れをとるわけにはいかないわ。 よし、財布持った、携帯持った、ボックスティッシュ持った。 じゃあ行ってきます。お父さん、お母さん、あたしは今日旅立つかもしれません。 ―――くっくっくっ、今日という日をどれほど待ち望んだことか。以前にも話した通り僕は今日という休日に決着を着けるつもりなんだ。 よし、まずはキョンに電話をしよう。まだキョンには何も言ってないからね。こういうものはサプライズがあったほうが印象に残っていいんだよ。 プルルプルル………… 『もしもし、佐々木か?』 「そうだよ」 『何か用でも………あ、もしかしてこの前の返事のことか?それならすまんがまだ考え中なんだ』 くっくっ、それはわかっているさ。だからこそ僕はこうやって電話をしているんだ。 「まあそれもあるけど、実は今、キョンの家の前にいるんだよ」 『へ?』 「じゃあお邪魔します」 「……………お前なあ。……まあいいか、久しぶりに佐々木の顔見れて嬉しいしな」 おっと、これは予想GUYの言葉をもらえたね。しかしこれは好都合。 くっくっ、まず第一段階は成功と言ったところか。このまま一気呵成に……………む、キョン、やけにお洒落な格好をしているじゃないか。そんな胸元の空いた服を着て……………ボフッ………タラリ………… 「どうした鼻血でてるぞ?」 「な、何でもないんだ」 フキフキ 「それよりどうしたキョン、どこかに出掛ける予定でもあるのかい?」 「ああ、ハルヒとデートの予定があるんだ」 ………………………………………………聴力が衰えているのかな。変な戯れ言が聞こえた気がする。 さてキョン、もう一度訊くよ、今日は何の用事があるんだい? 「だからハルヒとデーt……………あ、ち、違うぞ。別にハルヒのことを選んだというわけじゃないからな」 ……………くっくっ、もう少しでまたキャラが壊れてしまうところだったよ。 今回は簡単にはキャラを壊す気はないからね。キョンにも不用意な発言は気を付けてもらいたいものだ。 それにしてもだ、キョン。涼宮さんとデートとは頂けないね。 「いや、これはお前が告白する前から予定していたことなんだ」 「おや、そうなのかい?しかしだね……………………そうだ、僕も付いて行っていいかな?」 「いや、ちょっと待て佐々木!いくら何でもそれは………」 「僕のことも好きなんだろう?」 「うっ…………そりゃ好きだけど」 「じゃあいいじゃないか。さあ、早く行こう。どうせ集合場所はいつもの駅前なんだろう」 「おい佐々木、引っ張るなって」 くっくっくっ、涼宮さん。どうやら全面戦争のときが来たようだ。 キョンの想いを知っているからアドバンテージは僕にある。くっくっ、精々無駄なあがきをするがいいさ。 さあ、いざ行かん、決戦の地へ。 ~駅前~ あ゙ーーー遅いっ!!キョンのやつ何やってんのよ!もう集合時間の一時間前じゃない。ほんっとに信じられないわ、男なら二時間前行動は当たり前田のクラッカーでしょ。 イライラするわね……そうだ、今のうちに今日のイメトレをしておこう。 …………… ……… … 「すまん、遅れちまった」 「もうっキョンったら遅いぞ♪」 「ははっ、すまんすまん。遅刻のお詫びといってはなんだがこれ貰ってくれないか」 「え?」 「開けてみろよ」 ガサガサ カパッ 「うわあ……綺麗……………これ高かったんじゃないの?」 「お前の笑顔がみれるなら安いもんだ、俺だけのお姫様」 「……キョン、素敵」 ガバッ …………… ……… … きゃーきゃー!キョン格好良すぎる!!ああ、鼻血が……ボックスティッシュ持ってきて本当に良かったわ。 フキフキ それにしてもさすがあたしが惚れた男ね!やることが違う………………あ゙ん!?てめえ何こっち見てんじゃゴラァッ!!見せもんじゃねえんだよ!! 「wawawa………」 ふっふっふっ谷口がまるでゴミのようだ。 あっ、そんなことしてる間にキョンがやって来た。まずは掴みが肝心よね。よし、乙女ハ○ヒ並みのデレッぷりでいくわよ。 「キョーン、お・そ・い・z………………………………ギョーーーーンッッッッッ!!!!!!!」 『終結プログラム設置完了。起動まで3時間12分21秒』 「――――ギョーーーーンッッッッッ!!!!!!!」 くっくっ、涼宮さんの叫び声が聞こえるね。 ((((゜д゜;))))ガクガクブルブルガクガクブルブル キョン、大丈夫だよ。君は僕が守ってみせる。例えこの命が尽きようと。 あ、これ死亡フラグっぽい。くっくっ、メ ガ ン テ !! 「佐々木も怖いよー」 現在の状況まとめ ハ<ギョーーンッ!!! 佐<メ ガ ン テ 素キ<ガクガクブルブル 長<早く起動させてぇ 「―――さて、これはどういうことかしら?」 今あたしたちはSOS団御用達の喫茶店の一角を支配している。あたしが問いかけているのはもちろんキョン。 ふっふっふっ、逃がさねえぞてめえ。 「まあ待てハルヒ。ちゃんと説明してやるから。実はな――」 「僕から話をさせてもらえないかな、キョン」 「どうぞどうぞ」 どうしてそこで佐々木さんが出て来るの、あたしはキョンに訊いてんの!! 「うるさいっ!」 へ? 「キョンは僕のものだ!!」 えええぇぇぇぇぇぇぇっ!?この人何言っちゃってんの?怖っ、佐々木怖っ。 これが偏差値教育の犠牲者ってやつかしら。くわばらくわばら。 「勝手に私を頭のおかしい人扱いしないでくれるかしら?頭がおかしいのはあなたでしょ、涼宮電波ハルヒさん」 ミドルネームみたいに言ってんじゃねぇぇぇぇ!!!!!!! 「僕はただキョンに告白をしただけだよ。ね、キョン?」 「ああ、告白しただけだな」 ……………え、キョン………? 「キョンは僕のこと好きだよね」 「ああ、好きだな」 ………………嫌……………嘘、でしょ……? キョンが、佐々木さんのことを好き? ………ああ、そっか。そうだったんだ。あたしったら、1人で舞い上がっちゃって…………あはは、馬鹿みたい…………。ほら、早く出て行かなきゃ、2人の邪魔になるでしょ。 気が付いたら、あたしの頬には一筋の雫が伝っていた―― 「おいハルヒ、勘違いするな」 「何よ、勘違いって!!あんたは佐々木さんのこと好きなんでしょ!?もうこれ以上あたしを惑わせないで!!」 「お前のことも好きなんだ」 惑わせんなっていっただろごらああああああああ!!!!!!!!! 『起動まで2時間30分51秒』 あーあ、キョン言っちゃったよ。折角涼宮さんにキョンを諦めさせるチャンスだったのに。 くっくっ、やはり一筋縄ではいかないようだね。それでこそ僕の永遠のライバルと言うものだ。 「ちょっと佐々木さん!何ニヤニヤしてるのよ!!」 おっと、顔にでていたようだ。自重自重。くっくっくっ……… 「それよりキョン、だいたい理解できたわ。なーにがハルヒも好きだ、よ。まったく呆れてものも言えないわ」 それしては涼宮さんもやけにニヤニヤしてるじゃないか。 こういうのをツンデレと言うのかな、ナマステー。 「勝手に拝むな!」 それは失敬。くっくっくっ。 「まあどうせキョンはあたしのことのほうが好きなんだろうけどね」 待ちたまえ。それは聞き捨てならないね。 こうして僕と涼宮さんのやり取りが暫く続いていたとき、それまで黙っていたキョンが突然口を開いた。 「なあ、ちょっとトイレに行っていいか?」 「何よ、さっさと行きなさい。漏らしたら承知しないわよ」 「ああ」 ~10分経過~ 「佐々木さんはいつからキョンがあたしたちのことを好きって知ったの?」 「そうだね。三日前だったかな。私がキョンに告白したらそう答えられたからね」 ~さらに30分経過~ 「あっはっは、じゃあキョンはそのとき口から 禁則事項 を出したの?」 「そうさ。それはものの見事な 禁則事項 だったよ」 ~さらに1時間経過~ 「…………ねえ、佐々木さん」 「…………ああ、涼宮さん」 ダッダッダッ ガチャッ トイレには一枚の紙が残されていた。 『探さないでください』 「…………………ふっふっふっふっふっふっふっ」 「…………………くっくっくっくっくっくっくっ」 「佐々木さん、あなたどうしたい?」 「とりあえず今日をキョンの命日にしたいね」 「あら偶然、あたしもなの。そうと決まれば話が早いわ」 ピッポッパッ…… 「……あ、古泉くん?そう、あたし。ちょっと用意してもらいたいものがあるの。人が1人入れるくらいの棺……うん、そんな感じのやつで。え、何に使うかって?ちょっと1人殺りたいやつがいてね。じゃあ出来るだけ早くお願い」 ブツッ 「埋める場所はこちらで確保できたよ」 『佐々木さーん、埋める場所って何を埋めるんですかー?』 「あなたは知らない方がいい」 ブツッ 「準備は完了ね。じゃあ行きましょう」 「涼宮さん、あなたとはいい友人になれそうだ」 『起動まで35分50秒』 現在の状況まとめ 素キ<探さないで 佐ハ<あははははは!! ●○<ビクビク 長<早く出番を つづく